亀山氏が見る「糸井効果」若手の教科書、鳥谷に刺激大、打線分厚く

[ 2016年11月22日 08:50 ]

糸井 阪神入り

阪神移籍を決め、サッパリした表情で話す糸井
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 糸井が数年前にラジオに出てくれたことがあった際、番組終了後に局の近くにあったトレーニングジムへ直行したことを覚えています。それほどトレーニングに熱心な選手で、金本監督が指揮するいまのタイガースにピッタリの選手です。

 大きな体を本能的、直感的にうまく使って「打つ・投げる・走る」すべてで結果を出してきました。同じ左打ちの外野手でも高い技術を持つ福留とは違ったタイプです。たとえば、横田は“糸井2世”と呼ばれたこともありました。実際に糸井を間近で見れば“2世”を目指すことがどれだけ難しいのかを実感するはずです。

 左右の違いがあっても江越も同じように身体能力の高さを生かし切れていない一人です。彼らはまだ福留の技術論を吸収できるレベルまで達していません。糸井という新しい教科書との出合いは大きな参考になります。

 今季不振だった鳥谷とは同世代。“生え抜き”と“新戦力”という対比もあり、来季は何かと比較されることも増えるでしょう。鳥谷も「このままでは終われない」という気持ちが強くなるでしょうし、実は若手以上に刺激をもたらすのでは…と予測します。同じことが3歳下の西岡にも言えるのでは。主力組にも強い刺激を与える補強策になりました。

 打撃ではどの打順にも対応できる力を持っています。1、2、3番どこに当てはめても心配はありません。打順に関しては“最強のユーティリティー性”があり、期待感しかありません。

 新しいチーム作りに期待していたファンの間にはFA補強に賛同しない声もあるかもしれません。ただ、今季の若手の台頭は首脳陣が引っ張り上げた側面が強く、優勝を目指す中で本当のレギュラーになるには福留や糸井と競えるだけの力が必要です。その意味でも今オフに一番大事な補強が成功したと言えます。(スポニチ本紙評論家)

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2016年11月22日のニュース