巨人・吉川光 ユニホームもチームも“春にはフィットする”

[ 2016年11月22日 09:00 ]

巨人のユニホームでブルペン投球する吉川光。上着は大きめで右手の裾も余裕がある
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 日本ハムからトレードで巨人に移籍した吉川光夫投手(28)が、新天地でスタートを切った。2日のトレード発表から、わずか1週間後の9日に宮崎入りし、18日の打ち上げまで9日間。ドタバタ劇を象徴するようなブカブカのユニホーム姿で、ブルペン投球も披露した。パ・リーグMVPに輝いた12年の自己最多14勝超えを目標にする左腕に巨人の印象や、来季に懸ける思いを聞いた。(聞き手・構成=神田 佑)

 ――2日に発表された電撃トレード。その1週間後に宮崎秋季キャンプに合流し、練習にもフルメニューで参加した。日本ハムとの違いは感じたか。

 「最初は緊張しました。まずは、全体練習の時間が長いなというのは感じました。正直まだよく分からないまま参加させてもらった。ただ、ハムよりは走るのでしんどかったです」

 ――背番号は「21」。巨人のユニホームに袖を通した感想は。

 「まだユニホームが大きいので、なんかブカブカで着慣れないなとは感じています(笑い)。僕のは新品なので、みんなに“洗濯したら縮みますよ”と言われました」

 ――ドタバタの移籍劇を象徴するようなサイズの大きい上着だった。

 「本当にジャイアンツのユニホームだと感じるのは来年に入ってからですかね。オープン戦や、シーズン始まってからになるんじゃないかなと思います」

 ――巨人には、予定より早めに行動する通称「ジャイアンツタイム」と呼ばれる独特の風習もある。ギャップを感じることはあったか。

 「ハムにいた時も20分前くらいには動いていたので、そんなに早いなというイメージはないです。こっちに来て早め早めに行動しようとも思っていますので」

 ――若手中心の秋季キャンプを終え、チームの雰囲気はどうだったか。

 「みんな優しく、楽しく迎え入れてくれたので、やりやすい環境でやらせてもらえた。チームに溶け込むことができて良かった」

 ――高橋監督からはブルペンで熱視線を送られた。指揮官の印象は。

 「イメージ通り、さわやかな方だなと思いました」

 ――トレードを伝えられたときの状況は。

 「驚きの方が強かった。本当に何をしていいか分からない感じだった。(2軍本拠地の)鎌ケ谷のグラウンドに行って練習する前に、木田GM補佐に呼ばれて“午後1時に都内のホテルに行ってください”と言われ、ホテルで告げられた。最初にロッカーに行ったときに“石川慎吾がトレードらしいよ”と聞いていて、僕が木田さんに呼ばれた瞬間から、うすうす感づいていた」

 ――12年には14勝でパ・リーグMVP。14年には開幕投手も務めた。チームではエース的な存在だった。

 「成績は年によって良かったり、悪かったりだったので。何年連続とかで良い成績を残せていたら、こういう結果になっていなかったと思う」

 ――巨人では88年生まれで同学年の坂本、沢村とチームメートになる。

 「面識はありましたけど、同じチームでプレーするとは思っていなかった。負けないように頑張りたい」

 ――自身と同じ福岡県出身で、MVP左腕の杉内とも同僚に。広陵で1学年後輩だった小林誠とバッテリーを組む。

 「杉内さんには本当に勉強させてもらうことがたくさんある。盗めるところはしっかり盗みたい。小林は僕の良いところを引き出してくれと思う」

 ――首脳陣は開幕ローテーション入り、12年の14勝を超えるキャリアハイを期待している。

 「本当に新しい気持ちで12月、1月をしっかり準備したい。14勝を超えたいという思いはある。新しい環境でチャレンジさせてもらえるというのは、感謝するべきこと。一からしっかりやっていきたい」

 ◆吉川 光夫(よしかわ・みつお)1988年(昭63)4月6日、福岡県生まれの28歳。広陵では2年春からエースを務め、甲子園出場なし。06年高校生ドラフト1巡目で日本ハム入団。12年に25試合で14勝5敗、防御率1.71の好成績でリーグVに貢献。最優秀防御率、パ・リーグMVPを獲得した。今年11月2日に交換トレードで巨人移籍。1メートル78、80キロ。左投げ左打ち。

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