広島 9回5点差猛追も一歩及ばず…連勝4でストップ

[ 2016年8月29日 06:25 ]

<中・広>9回、無死一塁、右中間に2点本塁打を放つ丸

セ・リーグ 広島5―7中日

(8月28日 ナゴヤD)
 広島は28日の中日戦(ナゴヤドーム)で5―7で敗れ、連勝は4で止まった。5点を追う9回、丸の17号2ランなどで猛追。本塁打が出れば同点…までの粘りを見せたが、あと一歩届かなかった。それでも巨人が敗れたために優勝マジックは一つ減って「13」。最短Vは、9月6日のまま変わらずだ。

 スコアは終盤8回で2―7。あっさり終わってもおかしくないところだが、今季の広島は試合終了まで決してあきらめない。最終9回。敵地に詰めかけた赤ヘル党が猛追劇に沸いた。敵の抑え・田島に襲いかかり、首位の底力を見せつけた。

 端緒は先頭・菊池の四球だった。続く丸は、1ストライクからの141キロ外角直球を右中間スタンドへ。また何かが起こるのでは…と期待させた17号2ランだ。「点差が点差だったのでね。ま、でも、しっかり振り切れました」。

 さらに途中出場の堂林が左前打。2死一塁となったところで、勝利への執念を込めた緒方監督の采配が、もう1点を呼ぶ。梵の代打・西川が右前打で一、三塁となり、暴投で2点差。なおも2死二塁、打席の会沢に一発が出れば同点という局面にまで追い込んだ。

 首脳陣はこの日、入れ替えを断行。不振の小窪に代え、梵を今季初昇格させた。「(小窪は)結果が出てないから」と緒方監督。梵は、6点を追う8回1死三塁で代打に指名され、四球で出塁。そのまま三塁守備にも就いた。実績を考えれば、9回の第2打席に立ってもおかしくない。

 指揮官の意図を高ヘッドコーチが代弁する。「小窪には下で試合に出て状態を上げてもらいたい。CSもあるからね。ただ、小窪の状態が上がった時に1軍で梵が打っていれば、そのままもある。彼ら2人に堂林。状態のいい方を使う」。

 25年ぶりのリーグ制覇が間近に迫る佳境。小窪には選手会長、梵には功労者としての立場があるが、頂点を極めた先をもにらみ、あくまで競争論理を貫く。梵は「やっぱり、優勝の瞬間は見てみたい。思うところはあるけど、チームに貢献したい」と力を込めた。

 連勝は4で止まったが、ナイターで巨人が敗れたために優勝マジックはまた一つ減って「13」。明日30日からの本拠地・DeNA3連戦でいよいよカウントダウンに突入しそうな勢いだ。(江尾 卓也)

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2016年8月29日のニュース