新人最年長右腕「1年勝負と思って」 2度の手術、巨人テスト入団 

[ 2016年1月16日 11:30 ]

入寮時にアロマオイルを持参した大竹秀

 12球団の新人で最年長の27歳。それも育成選手(5位)として巨人に入団したのが、日米で独立リーグを経験している異色の右腕・大竹秀だ。12球団最多の新人15選手が入寮した際、「アロマオイル」を持参。すでに年季が入ったルーキーらしいリラックス法だった。

 「マリンブルーです。開放的な香りです。加湿器に使います」。体調管理で持ち込んだ加湿器の水の中に数滴垂らすという。「喉も痛くならず、リラックスできます」。さらに「乾燥肌にもいいんですよ」とスベスベの肌をさすった。

 最速151キロを誇る右腕は相当な苦労人だ。春日部共栄から国学院大に進学したが、右肘手術もあって2年で中退。「プロの夢を諦められなかった」と09年にBCリーグ・信濃に入団した。だが、翌10年に再び右肘を手術することになり、治療に専念するため任意引退となった。11年に信濃で復帰し、昨年は米独立リーグに挑戦。帰国後、BCリーグの武蔵在籍時に「年齢的にもプロはこれが最後」と巨人の入団テストを受け、ついに指名にこぎつけた。

 レッドソックスのマイナーキャンプに招待選手として参加した14年には、上原、田沢、渡辺俊らとともに練習。田沢と渡辺俊には食事にも誘われ「試合前に自分の状態を確認して、どこがズレているか自分で分からないと駄目」と金言を授かった。「年齢もあるし、1年勝負と思ってやる」とオールドルーキー。当面の目標は支配下登録。今度は1軍の扉をこじ開ける。 (川手 達矢)

 ◆大竹 秀義(おおたけ・ひでよし)1988年(昭63)7月26日、埼玉県生まれの27歳。小3から野球を始め、中2から投手。春日部共栄では2年夏に甲子園出場。国学院大中退後は、BCリーグの信濃、富山、武蔵に在籍した。支度金300万円、年俸240万円。背番号は「019」。1メートル80、87キロ。右投げ右打ち。

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