大谷 フィギュア羽生と“恐縮”初対面「僕も田中君も羽生世代」

[ 2016年1月16日 05:30 ]

表彰式の壇上で羽生(左)と談笑する大谷

 結弦のように世界へ羽ばたく。日本ハムの大谷翔平投手(21)が15日、都内のホテルで行われたテレビ朝日の「第50回ビッグスポーツ大賞」の授賞式に出席。壇上で男子フィギュアスケートの14年ソチ五輪金メダリスト・羽生結弦(21=ANA)と初対面した。同学年で同じ東北出身。共通点の多い相手を前に自らを「羽生世代」と位置付け、17年の第4回WBCでの世界一奪回に向け、刺激に変えた。

 身長は22センチ大きく、体重は約50キロも多い。それでも壇上で羽生と向かい合った大谷は恐縮していた。「初めまして」。ぎこちないあいさつを交わす。同じ1994年生まれ、岩手県奥州市出身の大谷にとって、同じ東北で宮城県仙台市出身の羽生は身近な存在であり、大きな目標でもある。

 侍ジャパンのトップチームの一員として、今秋ドラフトの目玉で同い年の大学日本代表・田中(創価大)らとスポーツ放送特別賞を受賞。司会者に「同い年ですね」と振られると、「僕も田中君も“羽生世代”だと思っている。負けないように頑張りたい」と言った。相手は男子フィギュア競技で世界歴代最高得点保持者。さすがの二刀流もその存在の大きさを認めた。

 羽生からは「テレビでも(大谷を)見ていますが、こんなに大きいのか、と。ボールに重みを持たせるために体重を増やしたとか。100キロですよね」と突っ込まれた。この時ばかりは大谷もアスリートの顔に戻り、「体重を増やすのは一つの手段。技術が大事です」と持論をぶつけた。

 わずか5分の共演だったが、世代を代表する2人の対面。超一流アスリートが集まる会場でさえ、雰囲気を変える力があった。表彰式を終え、取材に応えた大谷の口からは羽生への称賛が続いた。「壇上でしか話さなかったが、しっかりしているなという印象です。この世代のトップ。種目は関係なく、トップの選手と思っている」。同世代には競泳の瀬戸大也ら世界と戦うそうそうたる顔ぶれが並ぶ。中でも羽生は特別な存在だった。

 「テレビ画面を通して見るのと実際の印象は違う。“世界の羽生選手”ですから。僕なんか話し掛けられない」。ただ、この世代が「大谷世代」と呼ばれるためにはと質問されると、表情は変わった。「(野球は)個人競技じゃないのでチームが勝つこと」と日本ハムでのリーグ優勝、日本一を挙げた。そして、「世界なら侍ジャパンとして上を獲っていけば、子供たちが目指してくれるんじゃないかな」と続けた。

 来年3月のWBCで世界一を奪回し、野球競技復活が濃厚な20年東京五輪で金メダル。大谷が侍ジャパンのエースとして達成した時、羽生と肩を並べる。 (君島 圭介)

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