王者・田辺監督に挑む梨田監督 ハイレベルなダジャレ対決の行方は…

[ 2016年1月16日 09:27 ]

2015年の隠しマイク大賞に輝きトロフィーを掲げる田辺監督

 今年はパ・リーグで例年以上にハイレベルな戦いが繰り広げられそうだ。ペナントレースと言いたいところだが、ソフトバンクの強さは際立っているし、そこはやめておく。スポニチの野球面で掲載している「隠しマイク」での熱い戦いだ。

 本コーナーは昨年で四半世紀を過ぎて26年目。伝統ある?「隠しマイク大賞」は西武の田辺徳雄監督が受賞した。昨年の開幕戦での試合前。緊張感が漂う中で「いよいよ始まるね。あっ、隠しマイクのことね」といきなりさく裂。面白いダジャレを思いついたら、本紙の担当記者にわざわざ電話で伝えるほどの「猛者」だ。昨年はダジャレに替え歌、一人ボケツッコミと、何でもありのDeNA・中畑清監督(現本紙評論家)という強敵がいたが、隠しマイク大賞連覇を狙う今年も強力なライバルが出現した。楽天の梨田晶孝新監督である。11年まで4年間務めた日本ハム監督時代も本コーナーに多大な貢献してくれた大ベテラン。両指揮官に共通しているのは、ダジャレを最大の武器にしているところだ。

 選手は年齢とともに力が衰えていくが、ダジャレに年齢は関係ない。梨田監督は就任早々から、切れ味鋭い「得意技」を連発している。新人選手の入団会見ではドラフト1位のオコエ(関東第一)が監督の印象を問われて「率直にダジャレです」と本音を言ってしまった。さらに「どうやってダジャレを思いつくんですか」と質問すると、梨田監督も真顔で答える。

 「相手の質問に対し、スッと出すのが“梨田流”。キャッチャーの配球と一緒」。さすがだ。笑いのツボを心得ている。ダジャレは、頭の回転が速くなければ思いつかない。人を笑わせ、うまいと思わせるレベルは相当高い。しかも単発ではなく、速射砲のようにダジャレを放ち続ける両監督はハイレベルだ。

 「おやじVSなっしー」(両者のニックネーム)。もしかしたら、あのミスターも注目しているかもしれない。01年6月5日中日戦(東京ドーム)。6連敗を喫した試合後、巨人・長嶋茂雄監督は駐車場まで追いかけきた報道陣にコメントを求められると、ぶ然とした表情を浮かべて言った。「きょうは近鉄の監督だ。なしだ、なしだ!」。顔をのぞきこむと、一瞬ニヤリ。これには驚いた。伝え聞いた愛弟子の松井秀喜は「いいセンスだね」と甲高い声で大爆笑した。ミスターのダジャレにも登場した梨田監督が挑み、王者・田辺監督が迎え撃つ。ちなみに昨季のチームはそれぞれ最下位と4位だった。今年は順位を上げていけば、隠しマイクの登場回数も増えていくだろう。(記者コラム・飯塚 荒太)

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2016年1月16日のニュース