ムネリン教授 学生に「メジャーで愛される人間力」熱弁

[ 2016年1月13日 05:30 ]

これまでの野球人生を振り返る川崎

 ブルージェイズからFAとなっている川崎宗則内野手(34)が12日、京都学園大の京都太秦キャンパスで特別講義を行った。「メジャーリーグで愛される人間力」をテーマに、約500人の学生らを前に熱弁。ムネリン流コミュニケーション術の極意を説き、スポニチ本紙連載でも好評だった「チェストーーク」を1時間にわたりさく裂させた。

 教壇に立った川崎は「教授デビューですね」と照れながらも、真摯(しんし)に学生たちへ訴えた。グローバルな人材育成を図る大学側の依頼で実現した講義。体験談を基にコミュニケーション術を語るトークは止まらなかった。

 通訳を付けず米球界に飛び込んだ川崎の最大の悩みは英語。「とにかく飯を一緒に食う。酒を飲む。これに尽きる」と訴えた。「会話はリズムだし、キャッチボール。無理やり重ねるうちに、心は分かってくる」と交流を増やすことが大事と説いた。

 高卒でプロ入りした当時、壁に当たった。支えたのが高校時代の恩師の言葉。「社会に出たら1年目は環境に慣れろ、2年目は人間関係を見極めろ。仕事ができるのは3年目から」。ミスしても切り替えは無理と力説。「ネガティブでもいい。ネガティブな部分があるから人に優しくできる」と声を張り上げた。

 チームワークとは?と問われ「喜びも悲しみも分け合うこと」と即答した。昨季は控え中心ながら、チームに欠かせない一員としてポストシーズンも同行した。「他人のヒットを心から喜び、エラーも悔しさを分け合う。それこそチーム」と続けた。

 未定の今季所属先については「もうそろそろ決まりそうですね」と近日中の合意を示唆。その上で「野球辞めて教授になるためにここに来た」とジョークを繰り出した。いつでもどこでも、持ち前の“ムネニケーション”は忘れない。(後藤 茂樹)

 【大学講師を務めた主な現役プロ野球選手】

 ☆高橋由伸 05年に岐阜経済大で中日の井端と「やる気を引き出すコーチング」について講義。初めての講演に「いい経験になった」と話した。

 ☆渡辺俊介 ロッテ時代の06年に国税庁の研修機関である税務大学校東京研修所で「自己管理の重要性」などをテーマに講義。国家公務員採用試験で新規採用され、全国の税務署に配属される210人に約1時間半の講義を行った。

 ☆田中将大 楽天時代の09年に駒大で就職活動を控える1、2年生に「活(い)き 生き いきたい」との題目で自身初の大学講師。「自分の素を出して接すれば、相手もどんどん近づいてきてくれる」と力説した。

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