鈴木啓示氏 新人に伝えたいことは「ノー」と言う勇気

[ 2016年1月13日 07:45 ]

鈴木啓示氏

 自慢するわけではありませんが、今日まで暴力団関係者との交際など一切ありません。澄んだ白い水と言えばいいのでしょうか。黒いインク一滴落ちていません。あの時「八百長をやるぐらいなら、実家を継ぐ」と断った西脇の酒屋は弟が継いでいます。

 その一件以降、その手の誘いというのもなかったように思います。現役時代はとにかく野球だけに没頭しており、パチンコも麻雀も賭け事もいまだにやりません。不器用で融通の利かない男でしたが、今風の言葉で言えば「ぶれない」ことで信念を押し通してやってきたつもりです。

 新人選手の皆さんに伝えることがあるとすれば「ノー」という勇気を持ってほしいということです。「ノー」と言える勇気が成功へ導くような気がします。皆さん、現役で野球がやれる間は野球だけに没頭して成功してください。(スポニチ本紙評論家)

 ◆鈴木 啓示(すずき・けいし)1947年(昭22)9月28日、兵庫県生まれの68歳。育英から65年ドラフト2位で近鉄入団。1年目の66年に高卒新人ながら10勝を挙げ、67~71年に5年連続20勝以上を記録。68、71年と2度のノーヒットノーランを達成した。歴代4位の317勝で、85年に現役引退。93~95年に近鉄監督を務めた。02年に野球殿堂入り。左投げ左打ち。

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