栗山監督 名馬からV奪回ヒント ディープに「勝ち方教えて」

[ 2016年1月13日 05:30 ]

オルフェーヴルに話しかける栗山監督

 ディープから勝負の極意を学んだ。日本ハム・栗山英樹監督(54)が12日、北海道安平町の社台スタリオンステーションを訪問。自らの希望で実現したもので、種牡馬として繋養(けいよう)されている日本競馬界の至宝、ディープインパクトをはじめ、歴代の名馬8頭と触れ合った。勝負の就任5年目。8頭合わせてG1計「32冠」のスーパーホースたちから、大きなヒントをつかんでいた。

 体が震え、心に響いてきた。厩舎から次々に出てくる歴代の名馬たち。栗山監督は感激し、そして静かに語り掛けていた。

 「日本で勝ち続け、世界で勝負してきた馬がこんな近くにいた。(勝負に)勝ちきるって、どういうことなのか。そのヒントが欲しかった。今年は絶対に勝たないといけない年。どうしても会っておきたかった」

 栗山監督たっての希望で実現した訪問。自宅のある栗山町から車で50分ほど、この地で勝負の極意を得たかった。同ステーションの好意でG1・7勝のディープインパクトだけでなく、3冠馬のオルフェーヴル、世界ランク1位にもなったジャスタウェイにダービー馬のキズナとキングカメハメハ…、計8頭の名馬たちと“会話”した。8頭合わせて国内外G1「32冠」。「とにかくオーラが凄い。節々にヒントをもらった」という。

 同ステーションの徳武英介氏から丁寧な説明を受け、現役時代にやんちゃで有名だったオルフェーヴルに「こういう選手が欲しい」と言い、ディープインパクトの肩をなでながら「勝ち方を教えてくれ」と願った。そのディープは真面目で練習熱心、レースではひたむきに必死に走る「真の優等生だった」と聞き、栗山監督は「勝負には(オルフェのような)破天荒な選手も大切。ディープは真面目で、絶対勝つという心の強さがあり、何より走ることが好き。安定して勝つには“野球が好き”という思いで、コツコツやって結果を残すことをベースにしないといけない」と言った。

 破天荒なオルフェが中田なら、真面目なディープは大谷。能力が高すぎて故障の可能性をはらんでいたディープに重ね合わせて「大谷も腕が振れすぎて心配になる」とも話した。そうした選手たちの力をいかに結集し、シーズンを勝ちきるか。その秘訣(ひけつ)を名馬たちから学んだ。

 徳武氏から贈られたディープのたてがみは監督室に飾るという。「ディープみたいに最後に飛んでくるわけにはいかない。スタートを決めたい」。開幕ダッシュで先行逃げ切りを描いていた。(秋村 誠人)

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