マック鈴木 強心臓で乗り越えた波瀾万丈の人生 愛息への思い

[ 2015年9月11日 09:30 ]

長男の誠希千(せいきち)くんとスリーショットを初披露するマック鈴木氏と小原正子夫妻

 マック鈴木が「パパ」になった。昨年5月、お笑いコンビ「クワバタオハラ」の小原正子(39)と結婚。今年3月19日に長男・誠希千(せいきち)君が生まれた。間もなく生後半年。「もう赤ちゃんにベッタリです。可愛くて可愛くて。野球選手の時も楽しかったけど、今は(感覚的に)全然違いますね」。40歳のパパは目尻を下げ、本当にうれしそうに話す。

 「僕もお風呂に入れたり、おしめを替えたり…。ミルクもあげてますよ」。現在は神戸在住。夫婦で東京で仕事がある時は、誠希千君も一緒に連れて行く。マックは「ウチの嫁さんは仕事も家事も、子育ても全部やっているから本当に凄い。子供のことは全部受け入れいているし、心底優しい人」。そして付け加えた。「もちろん、僕にも優しいですよ」。波瀾万丈の人生。不惑を迎えて、最高の伴侶と巡り会った。

 今から23年前の1992年。マックはたった1人で米国の地を踏んだ。16歳。英語などもちろん話せない。ケンカなどのために滝川二を退学処分に。日本ではもう、野球を続けられなかった。それでも「不安はなかった。“何とかなるやろ”と。与えられた環境で頑張るしかなかったし…」。マリナーズ時代の96年に日本人3人目の大リーガーとしてデビュー。日本のプロ野球を経ない選手としては初めての偉業だった。

 メキシコ、ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコ、台湾…。日本ではオリックス、独立リーグでも投げた。自ら英語でメールを書き、球団に売り込む。単身で乗り込んで給料を稼ぐ。そんな生活をずっと続けてきた。「もともと、心臓は強い方だと思う。いろんなシチュエーションで野球に限らず何でもできるんで」。現在はジム経営、CS放送の解説者、野球教室など多忙な日々を送る。

 「人生はどんな出会いがあるか分からない。僕は周りの人のおかげで野球ができた。感謝しかない」。様々なことを見てきた。学んだ。そして今がある。だからこそ誠希千君には「人の痛みが分かるような人間になってほしいですね。そのためには、いろんな経験をさせてあげたい」と言う。

 マック自身は関西独立リーグ・神戸に在籍していた11年以来、プレーをしていない。それでも「同い年の上原(レッドソックス)とか見てると、ちょっと投げてみたいと思いますね」。その人生に「引退」という文字はない。そんなパパに似て、誠希千君もきっとたくましく育つだろう。(鈴木 勝巳)

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