ヤク山田 大物代理人の前で34号「来るのは知っていました」

[ 2015年9月11日 05:30 ]

<ヤ・D>4回無死、山田は左越えソロを放つ

セ・リーグ ヤクルト3-1DeNA

(9月10日 神宮)
 強振ではない。1―0の4回先頭の打席。ヤクルト・山田は、DeNA・石田が1ストライクから外角へ投じた128キロのチェンジアップを捉えた。本塁打レースを独走する左越え34号ソロ。出塁を目的としたスイングだが、「変化球に自然とうまく対応できた」と納得の表情を浮かべた。

 3―1の勝利にあって重い意味を持った一撃。チームは巨人に敗れた阪神と並び、8月3日以来39日ぶりの首位に返り咲いた。ヤクルトの日本選手のシーズン最多本塁打は04年岩村の44本塁打。34本は85年の杉浦、89年の池山に並ぶ2位だ。3割、30本、30盗塁のトリプルスリーを確実にし、打率、打点、盗塁と個人タイトル4冠も視野に入れるが、頭には常にチームの勝利がある。

 この日、発表された11月の国際大会「プレミア12」に出場する侍ジャパンの1次登録選手にも名を連ねたが、笑顔は封印した。「代表より今はシーズンの優勝争い。残り試合はまだある。チームのために頑張りたい」と言い切る。

 侍ジャパンの試合で印象に残るのは「(第2回)WBCの韓国戦でのイチローさんのヒット」という。決勝戦の延長10回、大会を通して調子の上がらなかったイチローが放った執念の決勝打。「凄いと思った」。どれだけ個人タイトルに手をかけようと、山田の原点はあくまでフォア・ザ・チームにある。

 スタンドでは米国の大物代理人、スコット・ボラス氏が観戦していた。「来ているのは知っていましたが、何もありません」。14年ぶりのリーグ優勝へチームをけん引する23歳を真中監督は「(大リーグから)注目されるのは素晴らしい。でも、もうちょっと働いてもらわないと」と冗談交じりで称えた。(君島 圭介)

 ▼ヤクルト・畠山(2安打1打点で今季90打点目)打点はチームの勝利のため。

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