おかわり 通算14本目満塁弾 歴代最多王氏の目の前であと1

[ 2015年7月2日 07:16 ]

<ソ・西>9回無死、22号となる満塁弾を放つ中村

パ・リーグ 西武10-3ソフトバンク

(7月1日 ヤフオクD)
 西武・中村剛也内野手(31)が、王貞治(巨人、現ソフトバンク球団会長)の持つ通算満塁本塁打15本のプロ野球記録にあと1本と迫った。1日のソフトバンク戦の9回に今季22号、自身通算14本目となるグランドスラムを放った。3回にはエルネスト・メヒア内野手(29)、4回は栗山巧外野手(31)が3ランを飛ばし、10得点で快勝。リーグトップの本塁打数を79に伸ばし、日本ハムと並ぶ2位に浮上した。

 ヤフオクドームの夜風が心地よかった。オープンルーフデーの夜空に打ち上げた満塁弾。西武・中村は本塁を踏むと珍しく、ニンマリと笑った。

 「ソフトバンク相手に3点差だったら、まだ分からない。いいところで打てた…かな」。本当はもっと早くに打ちたかった、と言わんばかりだったが、勝利を決定づけたのは間違いなかった。

 6―3の9回無死満塁。それまで4打数無安打だったが、嘉弥真のスライダーを左中間テラス席に運んだ。ベンチから飛んでいた「テラス!テラス!」のヤジに一振りで応えた。通算14本目の満塁弾。「簡単ではないんですよ」と謙虚だが、5月30日阪神戦(西武プリンス)で13本目を放ってから、わずか1カ月だ。歴代2位に並び、最多記録保持者のソフトバンク・王会長が見ていた目の前で1本差に迫った。今季22号。日本ハム・中田、この日21号を7回に打ったソフトバンク・松田を突き放し、単独トップに立った。

 29日ソフトバンク戦(東京ドーム)で4三振に抑え込まれて敗れ、ゲーム差が5・5に開いた。試合後、親交のあるタレント・ウエンツ瑛士からベンチ裏で激励を受けた。声を掛けられると「4三振やぞ!」と渋い表情をつくった。「だいぶ離されているので、なんとか食らいついていかないと」。鷹の独走態勢に待ったをかけたかった。

 0―2の3回にメヒアが左翼テラス席に16号3ラン。4回には栗山がテラス席中堅に5号3ランと、テラス席への3発で全10点を奪った。「本塁打量産型」と化した球場に田辺監督は「テラス席は大きいよ。昨年までだったら捕られちゃう大飛球も、入っちゃうもん」と恩恵を口にする。

 チーム本塁打数12球団トップの79を誇る強力打線。4番には、三塁手として出場を続ける中村がいる。通算294本塁打で満塁弾14本は、21本に1本ペース。王氏の57・9本に1本のペースをはるかに上回る。「(満塁本塁打は)巡り合わせもあるので、なかなか…。まあ頑張っていきます。きょう勝てたのが良かったですね」。勝負強い4番が、獅子を支える。 (神田 佑)

 ▼ソフトバンク・王貞治球団会長(歴代1位の通算満塁本塁打15本)彼は現役でしょ?20本くらいは打つんじゃない?

 ≪1年1本以上ペース≫中村(西)が今季2本目の満塁本塁打。通算満塁本塁打は14本となり、藤井(オ)、中村紀(D)と並ぶ歴代2位。王(巨)が持つ歴代最多記録15本にあと1本、パでは藤井と並ぶ最多記録とした。14本到達時の実働年数は王19年、藤井15年、中村紀15年に対し中村は13年と最速。1年に1本以上のペースで積み上げ、金字塔に王手をかけた。

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