阪神・和田監督「三つやられるわけには…」首位陥落&5割逆戻り危機

[ 2015年7月2日 05:30 ]

<ヤ・神>5回2死一、二塁、デニング(左)に右前適時打を打たれる高宮

 ウイークポイントが、またも浮き彫りになった。3―3で迎えた5回。2番手で4回から登板していた阪神・歳内が2四球で2死一、二塁のピンチを招くと、高宮にスイッチ。左対左。ベンチは左腕にデニング封じを託したが、思わぬ形で勝ち越された。

 「紙一重の勝負。バッテリーだけで戦うんじゃなく、全員で1点を守り、防がないといけない」

 和田監督の言葉も自然と厳しくなった。完全に詰まらせながら、背走した二塁手・上本がグラブへ当てながらポロリ(結果は右前打)。決勝点となる4点目を献上すると、イニングをまたいだ6回は高宮が踏ん張れなかった。1死一塁、山田への3球目は内角高めへ入った。捕手・梅野は外角へ構えており、いわゆる逆球。悔やんでも悔やみきれない失投は、いとも簡単に左翼席へと放り込まれ点差は3点。流れを完全に手放した。

 「逆球だった。僕の投げ損ない。次はしっかり投げないと」

 先発した岩貞が3回3失点で降板したこともさることながら、開幕から続く課題がなかなか解消できないでいる。福原、呉昇桓(オ・スンファン)による勝利の方程式は安定感抜群でも、終盤に至るまでの布陣が思うように機能しないのだ。この日も2番手・歳内が敗戦投手となり、ベテラン高宮も精彩を欠いた。同点の中盤、あるいはビハインドゲームで登板する中継ぎ陣の不調は、そのまま72試合で得失点差マイナス69点という数字に表れている。

 ここへ来て福原にも疲れが見え始めており、安藤の復調、松田、歳内らの台頭が急務。4月29日のヤクルト戦から水曜日は8連勝中だったが、上本の拙守だけでなく、6失点中4点に四球が絡み、ミスミス勝利を逃す結果となった。

 前回の対戦まで8勝2敗とお得意様だったはずのヤクルトに、まさかの連敗。指揮官は最後に、こう結んだ。「三つやられるわけにはいかない」。3連敗で首位陥落&5割逆戻りというシナリオだけは、絶対に許されない。  (森田 尚忠)

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