東都0勝腕が…広島ドラ2薮田 初登板初勝利 ケガ乗り越え大仕事

[ 2015年7月2日 05:30 ]

<巨・広>プロ初勝利を挙げた薮田

セ・リーグ 広島10-3巨人

(7月1日 東京D)
 記念すべきプロ初登板。最初の打者となった1番・長野の打球は左翼席上段に突き刺さった。しかし、広島のドラフト2位ルーキー・薮田は慌てなかった。2死後、阿部への初球はこの試合最速153キロを計測した。

 「内容はあまり良くないけど本当に勝ててよかった。5回は全力。力で抑えるしかないと思って直球で勝負した」

 最大のピンチで投じたのも最も自信のある直球だった。2―2の5回1死満塁で阿部を三邪飛、亀井を二ゴロ。グラブで自分の脚を叩いてベンチに引き揚げた。直後の6回、代打を送られたが、打線が6点を勝ち越した。2リーグ制以降、プロ初登板初勝利を巨人戦で飾ったのは球団史上4人目。また先頭打者アーチを浴びながら、勝利投手となったのはセ・リーグ史上初めてだ。

 アマチュア時代の実績はほとんどない。岡山理大付時代からケガに泣かされ「思い通りに投げられたのは高校2年の春まで」と言う。亜大1年の冬と2年の春に右肘の手術を受けるなど、大学での公式戦登板は3年時の3試合のみ。東都リーグ0勝腕が「野球を始めた時に一番強いと思っていた」という巨人相手に大仕事をやってのけた。

 スタンドには母・昌美さん(48)の姿もあった。広島市出身で幼少時から旧市民球場に足しげく通った「元祖カープ女子」。女手一つで薮田を育て上げた。この日の朝、携帯メールで「平常心でいつも通りの投球を期待しています」と送信。「オーケー」の絵文字で返した右腕は、感謝の思いを白星で届けた。

 緒方監督も「ピンチでもおどおどせず、臆することなく向かっていってくれた」と絶賛。苦労人の薮田が、上位浮上への秘密兵器となる。

 ≪4人目快挙≫ルーキーの薮田(広)がプロ初登板先発で勝利投手。広島の新人で初登板勝利は昨年3月29日中日戦の九里以来10人目。巨人戦に限ると、97年黒田、06年斉藤、11年福井に次いで4人目。この日は初回先頭の長野(巨)にいきなり被本塁打。プロ初登板で先頭打者本塁打を浴びたのは昨年9月10日DeNA戦の杉浦(ヤ)以来18人目。うち、勝利投手になったのは47年浜崎(阪急)、07年大隣(ソ)に次いで3人目。セでは初めてだ。

 ≪薮田 和樹(やぶた・かずき)≫

 ☆生まれ 1992年(平4)8月7日、広島市生まれの22歳。

 ☆サイズと投打 1メートル88、84キロ、右投げ右打ち。

 ☆球歴 「7歳の時に旧広島市民球場で観戦し、プロ野球選手になりたいと思って」野球を始める。広島西リトル―広島安芸シニア。岡山理大付では右肘を疲労骨折。亜大でも右肩痛などに見舞われ、東都大学リーグ公式戦登板は3年春の3試合のみで、4年時は登板なしに終わった。九里(広島)は高校、大学の1学年先輩に当たる。

 ☆持ち球 直球、フォーク、カーブ、カットボール、ツーシーム。直球は最速153キロを計測。

 ☆趣味 音楽鑑賞。

 ☆好きな女性タレント 佐々木希。

 ☆ライバル 亜大で同期のDeNA・山崎康。

 ☆目標の選手 ダルビッシュ有。

 ☆将来の夢 名球会入り。

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