星野監督退任 仙台市民ら惜しむ「また胴上げ見たかった」

[ 2014年9月18日 19:19 ]

 昨季、プロ野球楽天を初のリーグ優勝と日本一に導いた闘将、星野仙一監督(67)が18日、今季限りでの退任を表明した。本拠地のある仙台市では驚きや退任を惜しむ声が上がった。

 JR仙台駅前では、退任を伝える地元紙の号外が配られた。「本当にびっくり」と仙台市宮城野区の契約社員高橋みゆきさん(38)。「もう一度、監督が胴上げされる姿を見たかった」と号外の写真を見つめた。

 2011年は楽天の監督として迎えた初めてのシーズンだったが、3月11日に東日本大震災が発生。球団も大きな影響を受ける中、星野監督らは被災した各地を訪れ、被災者らを励ましてきた。

 仙台市太白区の仮設住宅で暮らす主婦中沢美佐子さん(75)は、津波で家を流された。「優勝の時はワーッと盛り上がった。明るいニュースを届けてくれ、うれしかった。辞めるのは残念だけど、体が悪いんじゃ仕方ない」と話した。

 この日も「楽天Koboスタジアム宮城」では多くのファンが試合を観戦。宮城県名取市の渡辺正昭さん(60)は「監督の手腕あってのチームだった」と感謝した。渡辺さんは震災で自宅が半壊。「立ち直りつつある時に優勝して元気づけられた。ゆっくり休んでほしい」とねぎらった。

 宮城県の村井嘉浩知事は「被災地東北に大きな活力を与えていただいたことに感謝申し上げる」、仙台市の奥山恵美子市長も「これからも復興を見守っていただきたい」とそれぞれコメントを出した。

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2014年9月18日のニュース