マー君も最初はダメだった…楽天・松井裕 早口注意された

[ 2014年3月4日 05:57 ]

「口の開け方が小さい」と指摘され、壇上で発声練習する松井裕

 マー君に学べ。楽天のドラフト1位・松井裕樹投手(18)が3日、東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われた新人研修会に出席。話し方講座で講師の元ニッポン放送アナウンサー・深沢弘氏(78)から口の開きが小さく、早口になると指摘された。プロで話し方も成長したというヤンキース・田中将大投手(25=元楽天)を見習うよう勧められ黄金ルーキーはあらためて偉大な前エースの足跡踏襲を誓った。

 ファンにどれだけ伝えられるか。エースへの道を歩む上で欠かせない要素の一つだ。壇上に一番手で呼ばれた松井裕は褒められ、そして意外なダメ出しをくらった。

 「相手の目をしっかり見て話し、表情も明るくて姿勢がいい。内容も素晴らしい」。ONの現役時代から半世紀も話し続けてきた深沢氏から最高の褒め言葉。「あれは(女性に)もてるよ」とまで持ち上げられたが、ただ一点だけ「話し方が速い。口の開きが小さいから、滑るように言葉が出てきて聞こえづらい」との指摘を受けた。

 一昨年夏の甲子園で史上最多の22三振を奪って脚光を浴びて以来、数多くのインタビューを受けてきたが、早口と指摘を受けたことはない。しかし、聞こえなければ、どんな言葉でも相手に伝わらない。その場で「もう少し口を開けて話してくれるか」と異例の発声練習が始まった。「あ」「い」「う」「え」「お」――。リードする深沢氏に続いて2度、松井裕の声が会場に響いた。

 ファンへ夢を与えるのがプロ野球。最高のプレーをすることだけがプロではない。それは、常にファンへメッセージを発信する星野監督の教えでもある。「速くていいのはボールとバットスイング」という深沢氏は、こう続けた。「田中君も最初はもごもごして何を言ってるか分からないとこがあった。それがあっという間に話し方も成長していった」。ヤンキース入団が決まった1月23日の会見、メジャーへ思いを語る田中の言葉はファンの胸を打った。次代のエース松井裕に期待されるのはそこにある。

 「話し方を意識したことはなかった。注意していきたい。今から伝えることが変わるわけではないけど、この経験を生かして対応したい」。相手の目を見て、明るい笑顔で松井裕は言った。これも大エースへの階段。「まずはヒーローインタビューを受けられるように1軍に残って。そこからだと思います」。ルーキー左腕は4日にチームへ再合流し、週末のオープン戦(8、9日の中日戦)で2度目の実戦登板の予定。その先に開幕1軍でヒーローインタビューが待っている。

 ≪近年の新人研修~話し方講座~≫

 ★日本ハム・中田(08年) 「(体は)でかいんだからもっと声出さなきゃ」と厳しく指導。さらに「○○ッス」という言葉遣いを直すよう指摘され「○○ッスって敬語じゃないんスか?」。

 ★西武・菊池(10年) 「声が小さい!」と注意され「あいうえお」の発声練習も。「しっかりゆっくりしゃべらないと。速いのはボールだけでいい」。菊池は「意識していきたい」と苦笑い。

 ★日本ハム・斎藤(11年) 「口の開き方が小さい。早口になって声がこもってしまう」と指摘。「中田さんを参考に。ゆっくりとした話し方は分かりやすい」と同僚を見習うようにと助言も。

 ★ロッテ・藤岡(12年) 「発声的に一番良かった。100点です。人を引きつける表情をしている」とべた褒めされた。

 ★日本ハム・大谷(13年) 「明るくて物おじしない。菊池雄星先輩とはえらい違い。雄星君はかわいらしい田舎っぺ。大谷君は都会的な感じできれいにしゃべる」と絶賛された。

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