“3階投法”2メートル16!楽天にプロ野球史上最長身選手が誕生

[ 2014年3月4日 05:30 ]

岡山駅に到着した楽天・ファンミル

 プロ野球史上、最も背の高い選手が誕生した。楽天は3日、2月の沖縄・久米島キャンプからテスト生として参加していたルーク・ファンミル投手(29)とセルジオ・ミトレ投手(33)の2人と育成契約を結んだと発表。年俸はともに240万円で、背番号はそれぞれ146と129に決まった。ファンミルは身長2メートル16で、プロ野球史上最長身選手。開幕前に支配下選手登録される見込みで、開幕1軍の可能性もある。

 ファンミルは仙台から1軍の遠征先である岡山へと新幹線で移動。一般人に交じると、ひときわ大きい。人間山脈と呼ばれた2メートル23のプロレスラー、アンドレ・ザ・ジャイアント(故人)をほうふつさせるオランダ出身の大巨人は、「チャンスを頂いたことに深く感謝している。チャンスをつかむため、結果を残したい」と笑顔で話した。

 身長2メートル16。いずれも2メートル8だった元巨人のヒルマン、元横浜(現DeNA)のターマンを上回り、プロ野球史上最長身の選手となった。メジャー経験こそないが、13年にオランダ代表としてWBCに出場。2月9日からミトレとともに久米島キャンプにテスト生として参加し、ブルペン投球で星野監督に「あれだけ身長が高いのに低めに集まる」と絶賛された。同27日ロッテとの練習試合(清武)では最速で149キロを計測。右上腕の違和感で途中降板したが、検査で「異常なし」と診断され、契約に至った。

 変化球はスライダー、チェンジアップ、スプリットを持っているが、本格習得を目指しているのがカーブだ。2月23日に沖縄セルラーのブルペンで、佐藤投手コーチから伝授された。これまで投げたことがない球種で「こんなに楽しいブルペンはなかった」と感謝感激。星野監督は「3階から投げとるみたいや」と評しており、一度浮き上がってから落ちるカーブは、打者にとって未体験の落差が生まれる。習得できれば、強力な武器となることは間違いない。

 これだけの長身で投球時に軸がぶれないのは、10歳までオランダで柔道を習っていたから。64年東京五輪の柔道無差別級で金メダルを獲得したアントン・ヘーシンク氏が経営する道場で心身ともに鍛えていた。普段から周囲を「見下ろしている」が、性格は温厚で真面目。将来的に弁護士の資格を取ろうとしている。

 順調に行けば、開幕前に支配下選手登録される見込みだ。ジョーンズ、ユーキリス、ファルケンボーグは開幕1軍が確実で、ファンミルはブラックリーと残り1つの外国人枠を争うことになる。大巨人はどんな「壁」も軽々と越えそうだ。

 ◆ルーク・ファンミル 1984年9月15日、オランダ出身の29歳。オランダ国内リーグでプレー後、05年にツインズ入団。その後エンゼルス、インディアンス、レッズでプレーも大リーグ昇格はならず。3A通算成績は17試合で1勝1敗0セーブ、防御率6・43。13年WBCオランダ代表。2メートル16、103キロ。右投げ右打ち。

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