【勝負の新天地】巨人・大竹は気遣いの人 同僚もちろんファンにも

[ 2014年3月4日 08:02 ]

巨人の大竹

 順調過ぎるほどに階段を上がっている。広島からFA移籍した巨人・大竹だ。1日のヤクルトとのオープン戦で3回2安打無失点。新しい本拠地の東京ドームで満点デビューを飾り「気持ちが高まって緊張感もあった。その中でも腕を振れた」と手応えを口にした。

 1月29日の宮崎での合同自主トレ中にブルペン入り。10年に右肩違和感を発症して以降では最速の投球練習だった。対外試合初登板も昨年より約1カ月も早い2月20日の韓国・LGとの練習試合(沖縄セルラー)。「肩の復帰からも4年経った。巨人に来た、という気持ちもある」。新天地での再スタートがハイペース調整を後押しする。

 本当に実直な男だ。正直で真面目。ナインと外食に行けば、注文係を自ら率先して行い、食器まで片付ける。ファンにサインを頼まれると、口癖は「僕なんかのサインでいいんですか?」。広島では有名選手でも、スター集団の巨人に移籍したこともあって、ファンにまで気遣いを見せる。

 親しみやすい性格も手伝って、すっかりチームに溶け込んだ。足掛かりをつくったのは、広島時代からの同僚で2歳上の青木。もともと家族ぐるみの付き合い。巨人移籍後は頻繁に連絡を取り、「青木さんがいてくれたので、いろいろ聞くことができた」と感謝する。

 地元は埼玉県。球界の盟主でプレーすることに憧れ、移籍した。重圧を受ける環境に飛び込んだ形だが、大竹の思いはただ一つ。「チームに貢献したい」である。大竹同様、現役時代に広島から巨人に移籍した川口投手総合コーチは「大竹が開幕ローテーションにいてくれないと困る」と大きな期待を寄せる。ノルマは3年連続の2桁勝利だ。

 ◆大竹 寛(おおたけ・かん)1983年(昭58)5月21日、埼玉県生まれの30歳。浦和学院から01年ドラフト1巡目で広島入団。05年に自身初の2桁勝利となる10勝。08年は開幕投手を務めたが10、11年は右肩痛の影響で登板機会が激減。12年に自身最多11勝でカムバック賞を受賞した。通算成績は246試合で74勝78敗17セーブ、防御率3・75。1メートル84、95キロ。右投げ右打ち。

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2014年3月4日のニュース