DeNA・関根 寮にテレビを持ち込まないルーキー

[ 2014年1月13日 05:30 ]

DeNA5位・関根

 8日に始まった新人合同自主トレの初日。DeNA5位・関根を見つめる大久保弘司スカウトのまなざしは温かかった。「足の速さ、球を捉える能力は高校生No・1。何より野球への真っすぐな姿勢。他の新人は立派な大型テレビを寮に持ち込んでいたのに、関根は部屋にテレビがない。いないよ、今どきそんな選手…」

 俊足巧打でパンチ力もある。東邦では高校通算33本塁打。そのうち、2年秋以降に28発と量産した。「あの引っ越しがなかったら打てなかったし、今の僕はない」と関根は振り返る。高1の夏前に家族で愛知県春日井市から名古屋市に転居。女手一つで育ててくれた母・美華さん(45)が関根の練習時間を増やすためだった。

 それまで電車通学で1時間以上かかっていたが、自転車で10分の距離になり、午後10時まで夜間練習に打ち込めた。「妹(愛さん)も転校したし申し訳なかった。自分一人より家族のためにと思う方が力が出る」と強調する。将来は美華さんが夢見る英会話塾開校の資金を出すという目標がある。入団後、1カ月の生活費は6万円と決めた。「妹の学費は出すつもりだし、母の夢も実現させたい。テレビが買えなかったが、当分必要ない」と表情に迷いはない。

 高3の昨夏は体重68キロと線が細かったが、食事量とプロテインを摂取する回数を増やして現在は77キロまで増量。「甘くない世界だと思う。でも、何が何でも1年目から1軍で試合に出たい」。初日の山登り。展望台にたどりつき、「数年後には必ず球界一のセンターになります!」と叫んだ。夢をかなえる人間は強い志がある。家族のためにもプロで大輪の花を咲かせる。

 ◆関根 大気(せきね・たいき)1995年(平7)6月28日、愛知県生まれの18歳。小1から野球を始め、石尾台中では軟式クラブチーム「守山クラブ」で投手兼外野手。東邦では2年春から外野の定位置をつかみ、3年夏は愛知大会5回戦で享栄に敗れたが19打数11安打、打率・579。甲子園出場はなし。50メートル走5秒8、遠投115メートル。1メートル74、78キロ。左投げ左打ち。

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