佐世保実監督が指示「殴ってでも退部を考え直させろ」 学校には虚偽報告

[ 2013年10月3日 06:00 ]

 今夏を含め春夏通じて6度の甲子園出場を誇る佐世保実(長崎)で昨年8月、引退した3年の元部員が1年生部員を暴行して骨折させたにもかかわらず、清水央彦監督(42)が学校側に「練習中の事故」と虚偽の報告をしていたことが2日、分かった。辰田幸敏校長が同日、記者会見し明らかにした。

 学校側によると、清水監督は昨年8月31日、1年生部員が退部を申し出た際、元部員に「殴ってでも退部を考え直させろ」と指示したという。元部員は1年生部員の顔を3回殴り、顎の骨を折る重傷を負わせた。暴行を受けた部員は47日間、入院生活を余儀なくされた。同監督は部長を通じ、学校に「ケガの原因は練習中に打球が当たったため」と説明していたが、学校が被害に遭った部員と母親から聞き取り、事実を確認した。

 清水監督は学校に「本当に殴れという意味で言ったつもりはない」と話したという。長崎県高野連は2日、学校側に事実関係を報告するよう指示。県高野連の角西政信理事長は「こういうことが起きたのなら残念。確認を急ぎたい」と話した。

 また、部員が骨折した理由を学校側が「練習中の事故」だと偽り、保険金が不正給付された疑いがあることも分かった。清水監督の報告に基づき、高田洋介野球部長(39)が虚偽の書類を作成。その内容に沿って養護教諭が保険金を申請し、数十万円が生徒側に給付されたとみられる。

 清水監督は同校の非常勤講師を務めていたが、1日付で監督と講師を辞任。高田部長も退任した。しかし、監督が選手への暴行を指示するなど前代未聞の出来事だけに、日本高野連からの厳しい処分が予想される。

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2013年10月3日のニュース