加藤コミッショナー 統一球問題責任あり 第三者委員会が結論

[ 2013年9月28日 06:00 ]

報道陣を振り切り帰路に就く加藤コミッショナー

 統一球を今季から飛びやすく変更しながら公表していなかった問題を調査した第三者委員会(那須弘平委員長=弁護士)が27日、都内で12球団の代表者に最終報告を行い、加藤良三コミッショナーの責任は免れないと結論づけた。

 3カ月に及ぶ調査報告書は80枚を超えた。報告では加藤コミッショナーが変更の事実を知っていたとの証拠はないが、疑いは解消されていないとした上で、「知らなかったとしても、ごくわずかな注意を払いさえすれば容易に知ることができた」と指摘。同委は非常勤のコミッショナーの勤務態勢についても批判し、コミッショナー制度の強化、充実も提言した。

 NPBでは報告書の全文を「近日中に」ホームページに掲載するとしている。ただ、理事会では事実誤認のまま記載されているという指摘が複数あり、各球団に持ち帰って精査することになった。パ・リーグの理事長を務めるオリックスの村山良雄球団本部長は「重く今回の件を受け止めた」と語った。30日にも12球団の代表者が集まり、全文を掲載するかも含めて再び協議する。

 ▼桑田真澄アドバイザー これだけ真剣に取り組んでいただいたことに野球界の人間として感謝しております。時代に合った野球界をつくっていかないといけない。

 ▼那須弘平委員長 加藤コミッショナーが事実を知っていたと認定できる証拠はなかった。しかし、疑いが完全に解消されたかというと、そこまではいっていない。コミッショナーが責任を免れることは許されない。あとはNPB内部でどうするかを決めるべきだ。

 ≪第三者委最終報告骨子≫

 一、コミッショナーが知っていたと認定はできないが、疑いが完全に解消されたともいえない

 一、仮にコミッショナーが変更の事実を知らなかったとしても、ごくわずかな注意を払えば、事実を知ることは容易で、混乱を招いた責任は免れない

 一、業務執行の責任者として責任を果たせるように、コミッショナー制度の強化、充実を図ることが望ましい

続きを表示

2013年9月28日のニュース