マー君 世界新開幕20連勝懸けて大谷と初対決

[ 2013年9月6日 06:00 ]

星トレーナー(左)とじゃれ合う田中

パ・リーグ 楽天―日本ハム

(9月6日 Kスタ宮城)
 雨が降っても灯(とも)った。楽天は5日、Kスタ宮城で行われる予定だった西武戦が雨天中止となったが、2位のロッテがオリックスに敗れたため、優勝へのマジック「22」が再点灯した。開幕19連勝中の田中将大投手(24)は6日、日本ハム戦(同)で大谷翔平投手(19)と初めて投げ合う。開幕20連勝を達成すれば、1912年にメジャーでルーブ・マーカード(ジャイアンツ)が記録した19連勝を抜き「世界記録」となる。
【楽天・田中の連勝登板内容】

 午後8時45分。田中は家路に就くために自家用車でKスタ宮城を出発した。その際、大谷について言った。「球が速い。外野からあれだけの返球をするぐらいですから。ポテンシャルの高さは感じます」。160キロを投げる二刀流ルーキーとの初対決を、楽しみにしているように見えた。

 その19分後だった。同9時4分に2位のロッテがオリックスに敗退。1日に消滅した優勝マジックが再点灯した。この日の西武戦は試合開始予定と同時刻の午後6時に雨天中止が決定。肩を落として家路に就いた楽天ファンにとっては、およそ3時間後の朗報だった。

 球団創設9年目での初優勝に向け、マジック22から再スタート。田中は前回8月30日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で開幕19連勝、昨季からの連勝も23に更新した。ただ、7回3失点で本調子ではなかっただけに、ここ数日間は下半身の体重移動など投球フォームを微調整。「修正できた部分はある。バランスいいフォームなら、力んでもズレが少ない」と手応えを口にした。

 勝てば元同僚で08年の岩隈(現マリナーズ)以来、5年ぶりとなるシーズン20勝に到達し、同一シーズンの連勝記録は57年に元西鉄の稲尾和久が記録したプロ野球記録の20連勝に並ぶ。さらに開幕からの連勝はマーカードが持つメジャー記録の19連勝を抜き去り、「世界記録」を樹立する。

 もはや「生ける伝説」となっているが、田中が向上心を失うことはない。「日々、成長です」が口癖だ。個人記録よりもチームの勝利を最優先する右腕は、優勝争いについて「まだまだ、これからだと思います」と気を引き締める。6月16日の阪神戦(Kスタ宮城)では藤浪と投げ合い、完封で貫禄勝ちした。もう一人の黄金ルーキーと投手としての初対決。野手での対戦では8打数無安打で5三振を奪っている。同じ投手としても圧倒するだけだ。

続きを表示

2013年9月6日のニュース