大黒柱がメジャー流出!?好投メッセに古巣マ軍スカウトが熱視線

[ 2013年9月6日 10:27 ]

<D・神> 8回2死一、三塁の好機に鳥谷(左)が一ゴロに倒れ、三塁走者のメッセンジャーはガックリ肩を落とす

セ・リーグ 阪神0-1DeNA

(9月5日 横浜)
 阪神先発のメッセンジャーは8回5安打10奪三振とDeNA打線を寄せ付けなかった。役割を十分に果たした助っ人右腕だが、この日までに、メジャー復帰志向を持っていることが判明。球団は残留要請する方針だが、開幕投手も務めた投手陣の大黒柱を来季は欠いてしまう可能性が出てきた。

 「個人的には内容は良かったと思うが、勝ちたいんでね。勝ちたい気持ちが強かったから」。

 文句の付けようのない快投が、皮肉にも「古巣」への猛アピールとなってしまった。リーグトップタイとなる12勝目こそ逃したが、序盤から最速154キロの直球と140キロを計測した高速フォークで三振の山を築いた。

 そんな背番号54にバックネット裏から熱い視線を送る人物がいた。メッセンジャーが08年から2年間在籍したマリナーズのスカウト2人が投球を見守った。ティム・キッシュナー国際担当は「日本の野球を経験したことで(アメリカ時代と比べて)頭が良くなったし(フォームの)バランスも良くなったと思う。(136球投げたことに)タフになったね。まっすぐにパワーがあったし、スプリットも良かった」と高評価を口にした。

 マリナーズ時代は主に中継ぎだったこともあり、日本で先発転向し、成功した姿は新鮮に映っているようだ。米国球界でも完投能力を備えたメッセンジャーの評価が高まっているという情報もある。今季で2年契約が満了するメッセンジャーにはブルージェイズ、ロイヤルズ、エンゼルスなどメジャー数球団が直接視察に訪れており、マリナーズのスカウト陣もすでに数回、球場に足を運んでいるという。

 一方で先発として新たな可能性を導き出してくれた阪神、日本球界への愛着も深いことも事実。開幕前には「いつか、仮にアメリカに戻ることになっても、日本での成績がこの数年間の自分が決して間違っていなかったことを証明してくれると思う」と語っている。

 メジャー挑戦となれば条件的には今季の年俸1億2300万円(金額は推定)より劣る可能性は高くなる。夢を追うのか、来季もタテジマ戦士としてマウンドに上がるのか――。目が離せなくなってきた。

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2013年9月6日のニュース