荒波初球打ちサヨナラ打!CS3差に迫った!

[ 2013年9月6日 06:00 ]

<D・神>9回無死満塁 サヨナラ打を放った荒波を抱きしめる中畑監督

セ・リーグ DeNA1-0阪神

(9月5日 横浜)
 持ち前の積極性を土壇場で発揮した。0―0の9回無死満塁。荒波は安藤が投じた初球、外角高めに抜けたフォークを逃さない。打球は左翼手の頭上を越えた。プロ初のサヨナラ打。投手戦に決着をつけ、中畑監督と熱い抱擁を交わした。

 「ここで打てないと男じゃないと思った。(自身が守る)右翼席から声援をいただいたので何とかしたかった」 

 独身の27歳。試合前はスタンドの子供たちに率先してサインをする。生まれて初めて一人でおつかいに挑戦する子供たちの奮闘ぶりを描いた日本テレビ系のバラエティー番組「はじめてのおつかい」は欠かさずチェック。「おつかいで子供たちが頑張っている姿を応援したくなる」。そんな心優しい男だが、最近は笑顔が消えていた。

 前夜は阪神に快勝も、先発野手で唯一の無安打。3試合10打数連続無安打となり、試合後は室内練習場で午後11時まで1時間以上打ち込んだ。抜群の身体能力を生かし切れず、首脳陣から状況判断の悪さなどで叱咤(しった)されることも多い。だが「僕はエブリデー怒られ役です」と前向きさだけは失わなかった。この日はメッセンジャーに3打席で20球投じさせて2安打。最後は中畑監督から「おまえより相手の方が重圧がかかってる」と背中を押され、猛打賞となる劇打で応えた。

 指揮官も執念の采配を見せた。無失点と好投を続けた先発の三嶋を8回2死一、三塁で交代。代わった山口が鳥谷を一ゴロに仕留めた。9回無死一、二塁の好機では前日3安打4打点の金城に代打・小池。犠打の成功率を考えた選択が野選を誘い、今季7度目のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 試合後は肩で息をしながら会見場に現れた。「今みんなが持てる力を出し切った。うちの理想型であすに弾みがつく」。3カード連続勝ち越しで3位・広島に3ゲーム差に迫り、自力CS進出の可能性も復活。その広島ときょう6日から本拠地で直接対決する。荒波はお立ち台で高らかに宣言した。「CSに行くため、広島に3タテしたい」。願いをかなえてこそ、男だ。

 ▼DeNA・三嶋(8回途中まで9三振を奪い、無失点の好投)もっと上のレベルを目指すのであれば、あそこで代えられないような投球をしなくてはと思う。

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