スタン “倍返し”東京D連続完封 和田監督「3つ取る」

[ 2013年8月3日 06:00 ]

<巨・神>巨人打線を完封したスタンリッジは藤井を抱き上げる

セ・リーグ 阪神4-0巨人

(8月2日 東京D)
 まるで優勝の瞬間のようだった。マウンド上で阪神・スタンリッジが女房役の藤井彰を高々と抱きかかえる。「戦い抜いた感じだ」と散発3安打、119球での完封勝利を振り返った助っ人右腕は、「きょうのヒーローは藤井さん。(6回の)坂本の三盗を刺してくれた」と持ち上げた。

 この日はユニホームの裾を上げるオールドスタイルで気合十分に臨んだ。3回まで無安打。4回1死一、二塁のピンチでは、スライダーで村田を一邪飛。ロペスを144キロで三ゴロ。中盤以降はカーブで目先を変えて三塁さえ踏ませなかった。リーグ1位の防御率も2・21となった。

 今季初の東京ドームでの登板となった4月17日には5回4失点でKOされた。しかし、5月7日には同じ場所で6安打で完封。そして、この日と2試合連続の完封だ。やられたら、やり返す。思い返せば、米国でもそうだった。97年にレイズから1巡目指名を受けながら、マイナー暮らしが続き、3年目にルーキーリーグで規定投球回に達しながら防御率7・70。それでも、翌年には1Aで最優秀防御率に輝いた。反骨の男なのだ。

 昨季は夏に急失速して7勝止まり。球団内には34歳の衰えを指摘する声もあったが、和田監督の強い要望で再契約した背景がある。指揮官は「スタンに尽きる」と褒めた上で「我々は3つ取るつもりで乗り込んでいる。我々にも意地がある」と手綱を締めた。

 巨人戦は早くも今季6度目の登板。もちろんカード別最多だ。首脳陣は今後の先発ローテーションを相手との相性で組む方針だ。スタンリッジは「巨人は何度対戦しても自分を高めてくれる。そして巨人を倒したいと全員で思っている」と強気だった。  

 ▽半沢直樹 TBS系「日曜劇場」で放送中のテレビドラマで、原作は直木賞作家・池井戸潤氏の小説「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」。バブル期に大手都市銀行に入行した銀行員・半沢直樹が、だまし取られた融資額5億円の回収に奮闘する姿を描く。半沢直樹役の主演・堺雅人が銀行内外の人間や上司の圧力や逆境に負けず、「やられたらやり返す。倍返しだ!」と啖呵(たんか)を切る場面が好評。視聴率は初回が19・4%、第2回が21・8%、第3回が22・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 ≪28年ぶり≫スタンリッジ(神)が5月7日の巨人戦以来今季2度目の完封。阪神投手の対巨人シーズン2完封は、同じく助っ人のゲイルが85年5月18日、6月6日にマークして以来28年ぶりだ。これで、チームは東京ドームの巨人戦で4月18日から5連勝。フランチャイズ制導入の52年以降、阪神が巨人の本拠地で、巨人に5連勝以上は07年8月から08年4月に1引き分けを挟み6連勝して以来2度目。同一シーズンに5連勝は後楽園時代も含め今回が初となった。

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2013年8月3日のニュース