大谷 二刀流へ一歩前進 ブルペン後に初スタメン初マルチ

[ 2013年3月4日 06:00 ]

<教育リーグ巨・日>3回、適時打を放った大谷はベンチ前で尾崎(右)の手洗い祝福を受ける

教育リーグ 日本ハム4―1巨人

(3月3日 ジャイアンツ)
 日本ハムのドラフト1位・大谷翔平投手(18=花巻東)が3日、イースタン春季教育リーグの巨人戦に「3番・DH」でフル出場。3回にプロ初打点となる逆転の中前2点適時打を放つなど、対外試合初のマルチ安打を記録した。ブルペン投球を行った日に先発出場したのは初めて。慣れないDHで結果を残し、二刀流テストの第1段階をクリアした。

 ライナー性の打球が中前で弾んだ。1点を追う3回1死満塁。巨人の育成2年目・土田が投じた2ボールからの3球目、大谷は直球が内角寄りの低めに入ってきたのを逃さなかった。2者を迎え入れる逆転打。プロ初打点を叩き出し、巨人ファンからも拍手を浴びた。

 「チャンスでしっかり打てて良かったです。前の打席で詰まらされた内角を意識していたら、甘めのコースに来た」

 初回の第1打席は土田に内角直球で追い込まれ、最後は外角直球で見逃し三振に倒れた。3回の場面。3球目、相手はクイックモーションからタイミングを外しにきた。しかし、大谷はその動きから球種を読んだ。「いきなりクイックで投げてきたので直球だと思ってた」。冷静な洞察力がもたらした安打だった。

 8回には3年目の田中から二塁内野安打。次打者の三ゴロでは併殺阻止のスライディングも見せた。初のマルチ安打にも満足していない。「迷いがある。配球だったり、芯に当てないといけないという意識が強くてフルスイングできていない」と反省の言葉を続けた。
 二刀流実現への実戦テスト第1弾。試合前は初めてプロの審判員をつけてブルペンで53球を投げた。これまでブルペンで投げた日は途中出場だったが、初めてスタメンに名を連ねた。投球練習後は右肩をアイシング。肩を休ませるためにシートノックにも入らず、DHでの出場となった。

 花巻東の卒業式から鎌ケ谷に戻った前夜。合宿所の風呂場で一緒になった大嶋に「DHは難しいです」と漏らした。この日も「半分、試合に出ていないので体も気持ちも上げていくのが難しい」と慣れないDHに戸惑いながら結果を残した。

 今後は10日の教育リーグ・ヤクルト戦(鎌ケ谷)で投手として実戦デビュー。野手としては、ブルペン投球した日の右翼でのスタメン出場が次のステップとなる。その先にあるのは試合での同時出場。「内容はそんなに良くないけど、結果を出すのは大事なこと」。心から納得する結果ではなくても、大谷は二刀流へ、確実に一歩ずつ前進している。

 ▼巨人・岡崎2軍監督 2ボールからしっかり仕留めたね。8回の内野安打を見ても足もある。いい選手だと思う。

 ▼巨人・土田 真ん中近くの低めを柔らかく、うまく打たれた。高さを間違えないように投げたけど、低めが得意なのかなと感じた。

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