まるで主将!福留 全力プレーで示した“キャプテンシー”

[ 2013年2月15日 12:06 ]

大和(手前)と話す福留

 阪神に新加入した福留が若手に対し、背中でお手本を示した。チーム主将の鳥谷がWBC日本代表合宿に参加するため不在となる中、メジャー帰りの男がプレーで、言葉で「キャプテンシー」を発揮した。

 14日午後から実施されたケース打撃。右翼守備に就いていた福留は、打者がバントする度に、カバーリングのため一塁後方のファウルゾーンへのダッシュを繰り返した。野球の基本と言ってしまえばそこまでだが、他の選手の動きと比べても、明らかに意識が違うと感じさせた。

 「特別なことをやっているわけではない。普通のことを普通にやっているだけ。いきなりボールが飛んできてもビックリしないようにね」

 本人は涼しげに振り返ったが、相手にわずかな隙も与えない徹底ぶりはさすがのひと言。目立たないプレーでも決して手を抜かない姿を目にし、和田監督も最敬礼した。

 「ああいうことができるからメジャーにも行ける。技術だけではない。そんな簡単な世界ではないから。野球人としてやることをしっかりやっている。後輩も見ているし、お手本になる選手だね」

 今年4月には36歳となる。ベテランの域に足を踏み入れても、全力プレーを怠ることはない。「中途半端にならないようにしないと。若い選手も見ているわけだから」。それは自身のため、そしてチームのためでもある。

 2度の打席ではバントのサインが出なかったものの、全体としてはバントミスが目立った。これには、あえて苦言を呈した。「どうやって1点を取るかの練習で、一発であれだけ成功しないということは、試合でも成功しない。みんなで成功するようにやっていかないといけない」。すべては優勝のため。移籍1年目でも遠慮などない。「影の主将」が、言動でチームを引っ張っていく。

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2013年2月15日のニュース