松坂決意のキャンプイン「これまで甘やかされていた」

[ 2013年2月15日 06:00 ]

1日遅れでキャンプ初日を迎えブルペンでの投球練習を行う松坂大輔。背番号20が光る

 インディアンスとマイナー契約した松坂大輔投手(32)が13日(日本時間14日)、招待選手として1日遅れでキャンプに合流。投球練習では捕手を座らせて39球を投じた。契約上、メジャー昇格の判断は3月26日(日本時間27日)が期限となっており、大リーグ7年目のキャンプは常に結果が求められる厳しい立場。熱望する古巣レッドソックスでの登板を実現させるためにも、メジャーにはい上がるための戦いに全身全霊で挑む。

 大リーグ移籍7年目。初めてマイナー選手としてキャンプを迎えた松坂は、冷静に現実を受け止めていた。

 「開幕メジャーに生き残らないといけないが、悲壮感を漂わせるよりは、プロに入ったとき(99年)以来、自分のポジションを奪い取っていくという気持ちが物凄く強い。これまで(の野球人生は)甘やかされていたと思う」

 13日に入団が正式発表され、ユニホームのズボンも採寸が間に合わず他の選手から借りる慌ただしさ。それでも、ブルペンでは首脳陣が見守る中で、変化球も交えてテンポ良く39球。「監督にはちょっと投げすぎと言われてしまいましたけど」と言うほど気合が入っていた。

 右肘手術から復帰した昨季は1勝7敗。シーズン後の契約交渉では高い評価は得られず、マイナー契約となった。「こういう状況は予想していた。そういう結果しか残せなかった自分に対しての悔しさはあるが…」。気落ちしている暇などない。契約には3月26日までに球団がメジャー昇格の判断をしなければならない条項が入っている。その「リミット」まで、松坂にはオープン戦7試合、投球回25イニング前後の登板機会が与えられる方針だが、常に結果が求められる。そのためにも、例年より早めの仕上げが必要となる。

 マイナー契約とはいえ、最終的に本格交渉した3球団の中からイ軍を選択した理由として、松坂は「ボストン(レッドソックス)と戦える確率の高い(同一リーグの)チームを選んだ」と言った。自身の完全復活、そして古巣にリベンジしたい思いは強い。

 「たくさんケガをしたけど、野球が好きという気持ちは変わらない。楽しんでいる場合ではないけど、置かれている立場を理解した上でわくわくしている」。いばらの道であっても、必ずはい上がってみせる――。松坂の野球人生最大の戦いが始まった。

 ▽松坂の契約 3月26日までにメジャー昇格しなければ、マイナー降格を拒否し、オプトアウト(契約放棄権)できる条項が入っている。オープン戦で活躍しても投手枠などチーム事情から昇格できない場合があるためで、その場合はFAとなり他球団移籍が可能となる。マイナー行きを受諾した場合は、10万ドル(約940万円)のボーナスが支給され6月1日にオプトアウトできる機会が再度与えられる。

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