中日クラーク退団も…常用薬に覚せい剤の一種アンフェタミン

[ 2013年2月3日 06:00 ]

常用していた薬の成分に覚せい剤の一種アンフェタミンが含まれている可能性が浮上した中日の新外国人・クラーク

 中日の新外国人、マット・クラーク内野手(26)が2日、持病により常用していた薬の成分に覚せい剤取締法の規制対象となるアンフェタミンが含まれている可能性があったため、沖縄県警沖縄署に出頭。簡易の尿検査と事情聴取を受けた。違法成分は検出されなかったが、事態を重く見た中日・佐藤良平球団代表(55)がキャンプ地の沖縄・北谷で緊急会見。今後、科学捜査研究所で薬剤と尿の詳しい検査が行われ、結果次第では退団にまで発展する可能性も否定できない。

 中日球団によると、クラークの常用薬に覚せい剤の一種が含まれている疑いが浮上したのは1日。キャンプイン前日の1月31日の全体ミーティングでドーピング(禁止薬物使用)について説明を受けたクラークが、1日の練習中に自身が常用している薬について藤田哲由チーフトレーナーに確認。薬の容器に貼られていた成分表示にアンフェタミンの記載があった。

 アンフェタミンは覚せい剤取締法の規制対象で、不法所持と使用は日本では10年以下の懲役に処せられる。このため、佐藤球団代表が日本野球機構(NPB)の医事委員会に報告。さらに球団の判断で2日午前に、クラークと同代表らが沖縄署に出向いた。同署で受けた簡易の尿検査などでは、違法成分は検出されなかった。

 佐藤代表は「クラークはショックを受けている様子だったが、きょうの時点では違法性はないということだった」と説明。ただ、薬の成分の記載と検査結果が結びつかないことから、同署では薬剤と尿を押収。今後は科捜研に回されて詳細に分析される。

 アンフェタミンはほとんどの国で違法とされており、60年ローマ五輪では投与されたデンマークの自転車選手が競技終了後に死亡。ドーピング対応のきっかけとなり、国際オリンピック委員会(IOC)でも74年に禁止薬物に指定された。一方で、米国では厳しい制限の下で医療用として処方されており、注意欠陥多動性障害(ADHD)やナルコレプシー(突発性過眠症)などの治療薬にもなっている。病名は伏せられたが、クラークも持病の治療のため、6歳から1日に朝、夕の2回服用していたという。

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2013年2月3日のニュース