勝てなかったけど…マー君、2戦連続10回完封に手応え

[ 2012年9月3日 06:00 ]

<楽・オ>楽天・田中は延長10回を無失点に抑え吠える

パ・リーグ 楽天0―0オリックス

(9月2日 Kスタ宮城)
 白星は付かなかった。それでも2試合続けて、スコアボードに10個のゼロを並べ、楽天・田中の右手には完全復活への確かな手応えが残った。

 「2回続けてやれることは最大限にできたかな。それをいいように捉えて次につなげていきたい」

 長距離砲が並ぶ打線に対し、序盤はスライダーを多投して打ち損じを誘った。李大浩、T―岡田を計8打数無安打。突然、大粒の雨が降り出した延長10回は2死一、三塁とされたが「そんなに関係なかった」と集中力を維持して安達を三ゴロ。雄叫びを上げマウンドを降りた。昨季とは違い、今季は空振りを取れていた球をファウルにされ、ファウルを取ろうとした球を簡単にはじき返されていた。しかし、この日は球の切れ、制球とも抜群で、5回まで毎回の6奪三振、8回には3者連続三振など計11奪三振。今季の奪三振数を133とし、リーグトップに躍り出た。

 前回26日の日本ハム戦(Kスタ宮城)は自身初となる延長10回、1―0の完封勝利。しかし、今季は好不調の波が激しいだけに「正直、一回の好投で肯定的な記事は書いてほしくない」と手放しで喜ぶことはなかった。今回の登板間は感覚を維持するため、ブルペン投球だけでなくキャッチボールでもフォームを確認しながら丁寧に投球。2試合連続の快投に「まだまだ分からないけど、いい形にはなりつつある」と笑顔をにじませた。

 昨季19勝を挙げた田中も今季はまだ7勝。チームも借金6で5位に低迷している。残り30試合。逆転でのCS進出は田中の完全復活なくしてあり得ない。

 ≪08年ソフトバンク・和田以来≫前回10回完封の田中(楽)がこの日も10回無失点。先発投手の2試合連続延長回登板は、08年和田(ソ=現オリオールズ)が7月27日のロッテ戦(10回2失点)と8月31日の西武戦(10回無失点)で記録して以来。2試合連続延長無失点となると、82年尾花(ヤ)が8月4日の阪神戦と同8日の広島戦でともに10回完封勝利を挙げて以来、30年ぶりとなった。なお、これで自身は20イニング連続無失点。次回の登板で、昨年8、9月にマークした自己最多の24イニング連続無失点を更新できるか。

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2012年9月3日のニュース