中田 「ポンと」運んだ18号!先輩おかわりに4本差

[ 2012年9月3日 06:00 ]

<ソ・日>4回無死一塁、左越えに2ラン本塁打を放った日本ハム・中田は三木コーチ(左)の出迎えを受ける

パ・リーグ 日本ハム2―1ソフトバンク

(9月2日 ヤフーD)
 打球が左翼席に入ったのを確認すると、日本ハム・中田は一瞬驚いたような表情を浮かべた。パワーで運んだのではなく、技で運んだ一撃だったからだ。

 「本当にいい投手。普通は投手の手元を離れてからでも、球種に応じて反応して打てるけど、それが難しい相手。だから手元までボールを引きつけてポンとバットを出した。入るとは思わなかった」

 0―1の4回無死一塁。ソフトバンク先発・武田が投じた内角寄りの直球に最短距離でバットを出す。打球は詰まりながらも、ライナーで左翼席へ。昨季の自己最多に並ぶ18号は、決勝の逆転2ランとなった。武田がプロ初登板した7月7日の対戦では中田は2打数無安打に終わり、チームも6回を1安打無得点と完璧に封じられた。まだ19歳の高卒新人にひねられ、「前回は悔しい思いをしたので打ててよかった」。七夕の借りを一振りで返した。

 開幕から不振が続き、前半戦の84試合はリーグ最下位の打率・202、10本塁打、39打点で折り返したが、球宴後の34試合では・315、8本塁打、18打点。この日の一発で本塁打はトップの西武・中村に4本差。最大7本差からの逆襲にも「今考えることじゃない」と無関心を強調したが、初めてのタイトル獲得も十分射程圏に入ってきた。

 中田の大阪桐蔭の先輩であり、憧れの存在でもある中村。今夏の球宴では、中村のフリー打撃を食い入るように見つめる中田の姿があった。脱力したフォームから、インパクトの瞬間だけ力を入れる打撃フォーム。中田の理想とする4番像は「勝負強く、ここぞというときに打点を稼ぐ。それでいてときには一発もドカーンと打てる打者」。勝利打点も中村に次いでリーグ2位の12度目で、着々と先輩の背中を追いかけている。

 チームは首位西武そしてソフトバンクとの6連戦を3勝2敗1分けと勝ち越して2位を死守。栗山監督は「最近、翔が打つと勝つみたいになっている。それが凄くいいことだよね」。首位戦線に生き残るか、脱落するか。全ては中田の打棒次第だ。

 ≪23歳シーズンは大杉抜きチーム最年少≫中田(日)が4回に昨季の自己最多に並ぶ18号2ラン。中田の逆転本塁打は11年5月1日西武戦以来2本目だが、勝利打点となったのはこの日が初めてだ。これで今季本塁打部門でリーグトップの中村(西)と4本差。後半戦は中村、T―岡田と並びリーグ最多タイの8本塁打と必死に食らいついている。ここからさらにペースを上げて23歳シーズンで本塁打王となれば、チームでは70年大杉勝男の25歳を抜き最年少となるがどうか。

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2012年9月3日のニュース