岩隈 決意の先発初勝利 危篤の父に「ここで頑張る姿を」

[ 2012年8月1日 06:00 ]

<マリナーズ・ブルージェイズ>8回を1失点で投げ終え、ベンチでチームメートに迎えられ笑顔を見せるマリナーズ・岩隈

ア・リーグ マリナーズ4―1ブルージェイズ

(7月30日 シアトル)
 マリナーズの岩隈が8回4安打1失点の快投。先発ローテーション入りして5試合目で先発での初勝利(今季2勝目)を挙げた。しかも13奪三振は野茂以来、日本人2人目だ。そして、先発初勝利には病床の父・得二さんへ「僕はここで頑張る姿を見せる」という熱い思いが詰まっていた。

 初回、先頭デービスに甘い速球を左翼席に運ばれた。2回も自らの失策で1死一、三塁と傷口を広げたが、後続を断って波に乗った。フォークが低めに決まり、相手に低めを意識させれば高めの速球が生きる。スライダー、カーブも効果的に決まって13奪三振。マ軍の新人球団新記録で大リーグ歴代2位の通算4875奪三振を誇るランディ・ジョンソンらを超えた。この日は2人の救援投手がトレード、守護神ウィリヘルムセンも妊娠中の夫人に付き添って戦列を離れ、中継ぎ陣が3人も不足。8回、109球でチームの窮地を救った。

 中4日の登板間に日本に一時帰国し危篤状態の得二さんを見舞った。26日に日本へ向かい、28日に米国へ戻る強行日程。父に別れを告げる意味もあっただろう。「もう帰るつもりはない。自分の中では一つの区切りというか切り替えができた」と話した岩隈は記憶に残るウイニングボールを大事に受け取った。

 ≪日本時代も含めて自己最多タイ≫岩隈の1試合13奪三振はメジャー最多で、日本時代も含めて自己最多タイだ。メジャーで1試合13奪三振以上は日本人投手では野茂が7度記録しているが、岩隈は2人目の記録となった。最多は野茂がドジャース時代の96年4月13日マーリンズ戦で記録した17。野茂は新人だった95年6月14日パイレーツ戦でも16をマークしている。

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2012年8月1日のニュース