有藤氏分析 ロッテ、ハムに弱点 パはだんごレースに 若手台頭楽天に注目 

[ 2012年6月22日 10:31 ]

 【有藤道世氏が占うパ・リーグ展望】ロッテ、日本ハムが大きく貯金をしてはいるものの、パの6球団はどこも決め手に欠ける。確かに前記の2球団はAクラスに近い存在だが、100試合前後の段階ではかなりの接戦、だんごレースのペナント争いになっていると読む。

 ロッテは交流戦最後の4カード、8試合の平均失点が5点近かった(4・87点)。藤岡に疲れが見え、中後は2軍落ち。益田も打たれ始めた。チームに勢いを付け、快進撃を支えたルーキートリオに陰りが見え始めた。特に藤岡は球威もなく、今が頭打ちの状態。どう立て直すか、興味を持って見てみたい。

 日本ハムもリリーフ陣が苦しい。増井、武田久も投げてみないと分からない、といった状況だ。ロッテもそうだが、現在の野球は終盤の7~9回の投手をいかにそろえるかが最重要課題。特に交流戦も終わり、今後は6連戦が続く。各チームとも先発5、6番手は苦労するだろう。そういう試合こそブルペン陣の奮起が必要だが、ようやく涌井が復帰する西武、ファルケンボーグがいないソフトバンク、一時の好調さがなくなった楽天・青山…。今季はどのチームも終盤に苦労している。それが「もつれる」と読む理由の一つだ。

 そんな中で注目するのは楽天だ。田中が長期不在で、永井もおらず、岩隈も大リーグへ移籍した。そんな中で釜田ら若手が台頭。抜てきし、結果につなげた星野監督の采配、手腕に拍手を送りたい。オリックスも現在借金11の最下位だが、金子を筆頭に寺原、木佐貫、西…と先発陣の頭数はいる。連勝する力はあるだろう。下位が押し上げ、上位に絶対的な力がない。だからこそ混戦になると予想する。

 問われるのはベンチワーク。これまでの序盤戦は、各球団とも勝ち方にこだわり、勝つ「形」をつくることに腐心してきた。これからは目の前の試合で、とにかく勝つことにこだわることが大切。形や固定観念は不要だ。(スポニチ評論家)

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2012年6月22日のニュース