牛島氏分析 中日追走の巨人 カギは先発5、6番手 4球団は決め手欠く

[ 2012年6月22日 10:28 ]

 【牛島和彦氏が占うセ・リーグ展望】今後は中日、巨人の上位2チームが軸となってペナントレースは展開していくとみる。中日はエース吉見が復帰したのが大きい。浅尾がいないなど故障者が多い中で、交流戦ではあれだけ好調だった巨人に追いつかれなかった。

 昨年同様、得点力こそ少ないが投手中心の守りの野球。交流戦で4度、計10度の引き分けにそれが表れている。現在首位。今後のポイントは浅尾に田島、川上ら故障者がいつ復帰できるか。早期復帰なら、投手陣は巨人より上とみる。打線で若い選手が出てきていないのが気がかりだが、高橋周らの活躍に期待したい。

 追う巨人は交流戦の直前、5月13日のヤクルト戦(秋田)で勝率5割に戻した。これが大きかった。「5割だ、さあ交流戦だ」と気持ちを切り替えられた。結果は交流戦Vで貯金10。その交流戦では杉内、内海、ホールトン、沢村の4人で先発を回していたが、これが6連戦になった時に先発投手の5、6番手に若手が入ってこられるか。宮国は2軍調整中だが、ローテーションを埋める投手が出てくれば、打線は好調なだけにさらなる躍進の可能性も大だ。いずれにしろ、この2球団の接戦は当面続くだろう。

 他の4球団はどこも決め手に欠ける。阪神も城島が抜け、マートンの発言によるゴタゴタもあった。ヤクルトも投手陣、特にリリーフ陣が苦しい。それはDeNAも同様だ。先発、中継ぎ、抑えと勝ちパターンの「形」をつくらなければいけないが、安定しているのは三浦だけ。若い投手に勝ちが付き、リリーフとして抑えれば自信も付くのだろうが、駒にも欠け、役割も明確になっていない。いかにしていい流れをつくるかが、浮上への大事な要素になる。

 広島も含め、5割前後にいるヤクルト、阪神などは、オールスターまでにどこまで上位2球団に迫れるか。もたもたしていると、中日、巨人のマッチレースとなる。(スポニチ評論家)

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2012年6月22日のニュース