勝負を分けた投手の打力 ロマンもったいないスクイズ失敗

[ 2012年4月13日 12:18 ]

<ヤ・D>2回1死満塁ロマンは投前スクイズを狙うが三走者がホームアウトに

セ・リーグ ヤクルト0-4DeNA

(4月12日 神宮)
 あり得ないセーフティースクイズだった。2回1死満塁。DeNA・三浦から先制点を奪う絶好機に、打席のヤクルト・ロマンは初球空振りの後の2球目に敢行。投手前へ勢いを殺した絶妙のバントとなったが、スタートしていない三塁走者・宮本は楽々本塁で封殺された。

 セーフティースクイズは通常、三塁走者が打球の転がりを判断してスタートする。しかし、満塁では転がったら本塁を突くしかない。「満塁だから(スクイズの)サインを出すわけがない。勝手にやりよった。(三塁)ランナーも予測しとらんから還れるわけないわな」。伊勢総合コーチは、三浦の完封を助けてしまった痛恨のシーンを渋い表情で振り返った。

 ロマンは投手ながらも打撃には定評がある。前進守備も敷いてない場面で、自分のアイデアだけのスクイズよりも、打って出た方が得点の入る確率は高かった。伊勢コーチは「あそこは打たすしかない」と続けた。

 逆に先制点を奪われた4回。2死一、二塁で8番・黒羽根と勝負して二塁打を打たれ、続く三浦にも適時打を許した。小川監督は「三浦の方が打撃がいい。あそこは黒羽根と勝負」と説明。ロマンは相手投手の打力を警戒して失点し、自分の打力を信じられずに得点機を逃した。その結果が0―4の零敗だった。

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2012年4月13日のニュース