番長三浦が1070日ぶり9回完封!中畑DeNA初連勝

[ 2012年4月13日 06:00 ]

<ヤ・D>完封勝利の三浦(手前)を出迎える中畑監督

セ・リーグ DeNA4-0ヤクルト

(4月12日 神宮)
 中畑DeNAが乗ってきた!DeNAは12日、三浦大輔投手(38)がヤクルト戦で6安打完封勝利を飾り、今季2勝目をマーク。9回を投げての完封は3年ぶりとなった。打っても4回に追加点となる適時打。開幕3戦目で新球団に今季初勝利をもたらしたハマの番長が、今度はチームを初の連勝に導いた。チームに活気が戻ってきた中畑清監督(58)は上昇ムードの中、13日は本拠地・横浜で古巣・巨人との初対決に臨む。

 試合前。中畑監督は全体ミーティングで三浦を名指しした。「大輔!お願いします」。38歳の右腕はその熱い思いを受け取った。4点リードした8回1死満塁。打順が回ると、いち早く打撃の準備に入る。この姿を見た指揮官も「代える気はなかった。本人も最後まで投げる気だったしね」。そして、相手に1点も与えることもなく、最後までマウンドを守った。

 6安打完封。「最高に気持ちよかった。登板間隔は関係ない。チームに帯同させてもら っていたので、気づいたことは話したりもしていた。マウンドの外でもできることがあるので」。チームの今季3勝中、2勝目を挙げた三浦は中10日でベテランらしくキッチリと結果を残して見せた。

 球威は落ちなかった。8回、2死からミレッジに対し、2ストライクから投じた121球目の高めのつり球は140キロを計測した。全4球全て直球勝負で空振り三振。初回から7回まで走者を許し「全体的にばらついていた」と振り返ったように、4回まで3四球も、直球に手応えを感じていたからこそ、変化球が生きた。4、7回はともに中村をスライダーで三ゴロ併殺に仕留めた。

 終わって見れば8回途中降雨コールドゲームとなった昨年9 月4日阪神戦(甲子園)以来の完封勝利。9回となれば09年5月8日阪神戦(横浜)以来、1070日ぶりだ。前日の山本に続く2日連続のシャットアウト劇で新球団初の連勝をもたらし「マウンドに上がれば負けたくないですから」と力強く語った。

 中畑監督は「あの闘争心は投手の鑑(かがみ)」と絶賛する。それは打席でも。投手としては珍しく、自身のレッグガードを所有。自打球すらも恐れないフルスイングで4回2死二塁では、自ら左翼フェンス直撃の適時打で3点目を叩き出した。「投げること以外でも手を抜きたくない。打席ではバットを持ってますから」と当たり前のように言った。

 中畑監督もベテランのその姿に「心中する覚悟ができた」と話す。三浦は13日に再び出場選手登録を抹消される予定で、次回登板は早くても25日の巨人戦(熊本)となる。「みんな下を向かずにやっているのがいい」と三浦。その背中には、チームを長年背負ってきた男の風格が漂っていた。

続きを表示

この記事のフォト

2012年4月13日のニュース