青木の23球!逆転劇呼んだ粘りに対戦投手「疲れたよ」

[ 2012年4月13日 06:00 ]

カブス戦の6回、右前打を放つブルワーズ・青木

ナ・リーグ ブルワーズ2-1カブス

(4月11日 シカゴ)
 ブルワーズの青木宣親外野手(30)が11日(日本時間12日)のカブス戦に1番・左翼でメジャー初の先発出場。3打数1安打1四球だったが、カ軍先発のライアン・デンプスター投手(34)に3打席で計23球を投げさせ、終盤の逆転劇を演出した。今季はスモールベースボール(緻密な野球)を標榜(ひょうぼう)するロン・レネキー監督(55)も青木の打席での粘りを絶賛した。

 青木の驚異的な粘り腰に相手エースは顔も見たくなかったのだろう。試合後、敗戦投手となったカ軍先発のデンプスターは疲弊し切った表情を浮かべ、こう漏らした。

 「対戦したくない打者。疲れたよ…」

 対戦した3打席で、青木は23球を投げさせた。初回に四球を選び、3回の第2打席は5球連続ファウルなどで10球。最後は左飛に倒れたが、首脳陣から「安打と同じだ」と声を掛けられた。6回は8球目を右前打。青木は「ボール球を振らないというのは投手にとって一番苦しいこと」と言う。1番打者の数字に表れない粘りは7回、疲れが見えたデンプスターの失投を呼ぶ。コッタラスの逆転2ランへつながり、106球で降板させた。

 昨季38本塁打、120打点のフィルダーがタイガースへFA移籍。得点力減を防ぐため、ロン・レネキー監督はスモールベースボールを掲げた。打席での粘りも指揮官が求めた一つ。青木はヤクルト時代も打つだけではなく、ファウルで粘って相手投手を攻略。1打席で8球以上投げさせれば年俸査定に反映された。お手の物である。この日は昨季ナ・リーグMVPの3番ブラウン、5番ハートが休養。1点の重みが増した試合でチームの手本となり、3連勝を呼び込んだ。レネキー監督も「青木は投手とのバトルで非常にいい仕事をしてくれた。シーズンを通じ貴重な存在になってくれるだろう」と称えた。

 開幕6試合目で初先発しフル出場。「自分が出て負けたと思われるのも嫌。久しぶりに試合をやっている感じがした。楽しかった」。控えの立場はすぐには変えられない。青木も現状を理解している上で言った。「僕は絶対に腐ったりはしない。活躍次第で状況は変わる」。たった1度のスタメンで満足などしない。

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2012年4月13日のニュース