「ムチャクチャうれしい」内海通算1000K&今季初○

[ 2012年4月13日 06:00 ]

<巨・中>8回1死二塁内海はブランコを三振に打ち取り、通算1000奪三振を達成、ガッツポーズ

セ・リーグ 巨人3-2中日

(4月12日 東京D)
 狙っていた。1点差に迫られた8回、なおも1死二塁。巨人・内海は真ん中低めの118キロスライダーでブランコを空振り三振に斬った。「頭の中にあったので、何とかあと1個取って達成しようと思っていた」。この日6個目で通算1000奪三振を達成。続く和田に四球を与えたものの井端を中飛に抑えると、左拳を握って吠えた。

 「ムチャクチャうれしい。開幕投手を任せてもらいながら負けてしまって…。連敗も自分の責任だと思っていたので」

 真骨頂の粘投。3点の援護をもらった直後の4回は味方の失策で1点を返され、なおも1死一、二塁で代打・山崎。序盤で動いた相手に対し「ゲッツーが理想。低め低めに投げた」。外角139キロの直球で二ゴロ併殺。最少失点で切り抜け、その後も崩れなかった。

 昨季は開幕投手を後輩の東野に譲った悔しさをバネに、この日投げ合った吉見とともに18勝で初の最多勝を獲得した。さらなる高みを目指し、オフには体幹強化の一環でトランポリンを使ったトレーニングを導入した。恒例の元日始動ではいきなり約70メートルの遠投。FA加入の杉内、沢村との争いを制してつかんだ2年ぶり3度目の開幕投手は敗戦投手になったが、この日は8回を8安打2失点。今季3試合目で初勝利をつかんだ。

 最多勝同士の投げ合いから学んだこともあった。「吉見はランナーを出しても落ち着いていた。試してみようと思って」。開幕からの2試合は走者を背負うと「次の打者に打たれたらいけないと思いすぎていた」という。毎回走者を背負いながらも目の前の打者だけに集中。打っても3回1死から左前打で出塁し、先制のホームを踏んだ。マウンドだけでなく、打席でもベンチでも戦った。

 チームは引き分けを挟んで今季初の3連勝。落合博満氏に並ぶ歴代20位タイの監督通算629勝を挙げた原監督は「エース同士がぶつかることは、そうそうない。内海に軍配が上がったのは大きい」と称えた。最多勝対決を制した内海は「早く借金を返したい」と言った。エースの勝利は、チームの加速へとつながる。

 ≪巨人左腕では5人目の1000奪三振≫内海が中日戦の8回にブランコからこの日6個目の三振を奪い通算1000奪三振を達成した。プロ野球130人目。初奪三振は04年5月25日の広島戦(宮崎)で栗原から。巨人で通算1000奪三振は槙原寛己の2111個を筆頭に15人目。うち、左腕は中尾碩志1597、高橋一三1364、新浦寿夫1182、高橋尚成1032に次ぎ5人目となった。

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2012年4月13日のニュース