この三角形が大事…剣道トレで打力アップへ

[ 2011年2月9日 06:00 ]

伊勢総合コーチ(右端)考案の剣道トレーニングで、飯原(左)と川崎(中)が素振りを繰り返す

 ヤクルトは伊勢総合コーチの発案で、和製大砲の飯原、ドラフト6位の川崎(熊本ゴールデンラークス)が剣道トレに臨んだ。全体練習後の室内練習場。長さ3尺9寸(約118センチ)、重さ約560グラムの竹刀を上下に素振り、振り下ろす際にヘソの位置で寸止めする。その時に胸板と両腕でできる二等辺三角形が打撃のインパクト時と同じであることから、同コーチが考えついた。

 狙いは脇の絞りだ。右打者は左脇が開くと外角への対応が困難となり、ボールを捉えても打球に力は伝わらない。竹刀の素振りによってインパクト時の二等辺三角形をイメージさせ、脇を開かない意識を植え付ける。竹刀を寸止めする瞬間、雑巾を絞るように右手首を押し込む作業もインパクト時と酷似しており伊勢コーチは「インパクトに力を集約させなければいけない。上下の素振りをだんだん横にしていけば打撃と同じ」と説明した。

 小川監督は今キャンプの課題に「レギュラーと控えの力の差をできるだけなくすこと」として、中でも野手の得点力アップを掲げている。昨季チーム総得点はリーグ3位の617点だったが、巨人711点、阪神740点の上位2チームとは大きく離された。中でも得点につながる長打率は外国人の・484に対して、日本人選手は・403とぐっと数字が落ちる。控えも含めた若手野手のパワフルな打撃は得点力増に必要不可欠だ。

 飯原は「どこに飛ばすにしても、この三角形は大事。イメージが分かった」と効果を口にする。より力強い打球を求めて剣道トレは今後も続行する予定。団結をモットーとするヤクルトが若手の底上げで総攻撃に備える。

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2011年2月9日のニュース