飛ばない統一球の「内角」攻略へ…鳥谷「鋭く、きれいに」

[ 2011年2月9日 13:00 ]

トス打撃で汗を流す鳥谷。統一球対策に余念がない

 より鋭く、よりきれいに――。阪神・鳥谷敬内野手(29)が統一球での内角球対策に取り組んでいる。昨年は内角球も苦にせず打率、打点で自己最高成績を残した鳥谷の今季のテーマは、内角への飛ばないボールをどうさばくか。さらなる進化へ、軸回転を重視したその極意とは?

 統一球を打って感じたのが、その重量感だったという。「内角は重さを感じました」。打球の伸び、手応え…昨年までとは明らかに違う。

 「何も感じない人もいると思います。でも、僕はそこが気になった」

 ではどう対処していくか?鳥谷が今キャンプで取り組んでいるのが「鋭く、きれいに」だ。

 鳥谷の打撃の基本は軸回転。軸を中心にコマのように体を回すその打法で、昨年までは内角を苦にせず、少々詰まっても左手で押し込んで打球を飛ばした。ところが統一球は内角を昨年と同じように打っても飛ばない。そこで考えたのが「より回転を鋭く、詰まらないよう意識しています」だ。

 打者の手元で鋭く小さく曲がる変化球が主流の今の野球は、引き手(左打者は右手)よりも後ろの手が重視される。ボールをできるだけ体の近くまで引きつけ、変化に対応しながら後ろの手で押し込むからだ。鳥谷は実は左利き。利き手が左手だから強く押し込めるのだが、統一球の内角に関しては「左手を意識しない」という。押し込むのではなく、回転力を上げ、詰まらずにきれいにさばくのが理想だ。

 阪神が今キャンプで実施している、確実に芯をとらえるためのゴルフボール大の特注ボールによるティー打撃でも内角を打ち込む鳥谷は「でも、まだ生きた球を打ってないのでこれからです」。昨季打率・301、104打点はいずれも自己最高。それでも、あえてフォームを変えて新シーズンに臨む。より鋭く、よりきれいにさばけたとき、新たな内角球対策は完結する。

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2011年2月9日のニュース