斎藤泣いちゃった!単独入団会見に感激

[ 2010年12月10日 06:00 ]

背番号「18」のユニホーム姿を披露し、ポーズをとる斎藤

 斎藤、感涙。日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22)が9日、札幌市内のホテルで球団と正式契約を交わし、札幌ドームで単独入団会見を行った。無料開放したスタンドには8000人が来場。斎藤は背番号「18」のユニホーム姿を初披露すると、梨田昌孝監督(57)を相手に「プロ第1球」を投じた。北海道の熱い声援、そして選手からのビデオメッセージに目を潤ませるシーンもあり、黄金ルーキーには忘れられない一日となった。

 斎藤が8000人の視線を独り占めした。公式戦さながらのアナウンスの中、三塁ベンチから「SAITOH 18」のユニホームに身を包んだ黄金ルーキーが登場。ファンの大歓声と拍手を背に、マウンドに上がった。
 「感動しています。梨田監督からは“好きに投げてこい”と言われたけれど、五分くらいの力で投げました。新鮮でうれしかった半面、打者が立ったら緊張するんだろうなと思いました」
 捕手役を務めた梨田監督のミットに投げ込んだ、札幌ドームでの「プロ第1球」は直球。来季へ、そして未来へとつながる記念の1球だった。
 笑顔、そして涙ありのセレモニーとなった。藤井球団社長、梨田監督との入団会見。何度も「緊張している」と言いながら、対戦したい相手を「なるべく打率の低い打者」と答えるなど笑いを誘った。そんな斎藤が目を潤ませ、思わず下を向いてしまったのは稲葉と田中から「心配することは何もないぞ」とビデオメッセージを送られた時だ。
 「うれしかったですね。正直、不安もあったので…。ちょっと目が赤くなっていたかもしれません」。甲子園、神宮で全国制覇も、プロでは実績のないルーキー。注目が高いからこその重圧もある。そんな心を察したかのような主将と選手会長の気遣いが心にしみた。
 ファンの歓声と拍手にも感動した。当初、球団側が見込んでいた観客数は5000人。03年オフにメジャーから日本復帰した新庄の入団会見でも2000人だった。平日で、朝から小雪が降る悪天候にもかかわらず早朝4時から列ができた。
 「4年前、駒大苫小牧と試合して北海道の皆さんを嫌な気持ちにさせた。だから僕はマイナスからのスタートだと…。今度は味方と思われるようになりたい」。06年夏の甲子園。田中(現楽天)を擁して大会3連覇を狙った駒大苫小牧を延長再試合の末、決勝で撃破した。北海道では敵役と思ったが、寒さを吹き飛ばす熱気で迎えてくれた。
 「日本を代表する投手になりたい。他球団の18番もエースと呼ばれている。そのぐらいのレベルまでたどり着きたい」。高校時代からの「ハンカチ王子」の愛称にも「イメージを変えたい」と、アイドルでなく球界を背負っていくたくましさを追求するつもりだ。
 「ファイターズは2011年も優勝できるチーム。自分も優勝メンバーになれるように頑張っていきたい」。力強く誓った斎藤の言葉は、そのままファンの、北海道の夢となる。

続きを表示

2010年12月10日のニュース