内川、FA決断!争奪戦必至、ソフトバンク最有力

[ 2010年10月25日 10:09 ]

 横浜の内川聖一外野手(28)が今年取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使することが24日、分かった。

 近日中にも球団幹部との会談で意思を伝える。残留交渉の席には着くものの他球団への移籍を視野に入れており、宣言すればソフトバンクなど数球団が獲得に名乗りを上げる可能性が大。3年連続で打率3割をマークした「ハマの安打製造器」の争奪戦に発展することも考えられる。
 悩みに、悩み抜いた末の決断だ。今オフのFA権行使の可能性について内川はスポニチ本紙の取材に「今は何とも答えられない。時期が来れば決断します」と語った。だが「他球団が自分をどう評価しているか聞いてみたい」と親しい関係者に伝えており、近日中にも行使の意向を球団に伝える。
 プロ10年目の今季は自身初の144試合フル出場を果たして打率・315、9本塁打。チーム事情で不慣れな1番で起用されるケースが多かったがチャンスメークに徹し、3年連続で打率3割をマークした。だがチームは史上初の3年連続90敗以上で最下位。「最低限の目標だったフル出場は達成できたけど、勝てなかったから…」と表情は晴れなかった。
 最下位からの浮上を狙う横浜にとって、内川はチームリーダーとして来季以降も不可欠な存在だ。6月3日にFA権を取得すると、翌4日に異例の電撃交渉。3年の長期契約で慰留を訴えた。9月30日には、親会社TBSホールディングスが住生活グループへの球団売却交渉を進めていたことが発覚。身売りに揺れる球団事情で、全日程が終了した10月7日以降は一度もFA交渉を行っていないが、「この状況で球団の事情も分かる」と内川も理解を示している。
 横浜への愛着が強い内川だが、一方で00年に入団以来1度も味わったことのない優勝へのあこがれも強い。08年に右打者最高打率・378で首位打者を獲得した活躍を評価され、09年3月にWBC日本代表に選出。決勝の韓国戦では猛打賞で決勝のホームを踏むなど攻守で連覇に貢献し、「独特の緊張感が楽しかった。今度はチームで優勝したい」と目を輝かせていた。優勝を狙える環境へ、他球団移籍の可能性も十分に考えられる。
 FA権を行使すれば争奪戦の可能性が高い。本命はソフトバンクだ。杉内、馬原、川崎、本多ら地元九州出身の好素材を獲得する編成方針で、大分出身の内川にも熱視線を送る。広角に打ち分ける打撃技術、野球にひたむきに取り組む姿勢を高く評価しており、今季チーム3冠の多村とともに主軸を担う強打者として獲得に動くとみられる。

 ◆内川 聖一(うちかわ・せいいち)1982年(昭57)8月4日、大分県大分市生まれの28歳。00年ドラフト1位で横浜入団。04年にレギュラー定着。08年には135試合に出場し、右打者では史上最高の打率・378で首位打者に輝いた。同年は最多安打(189)、最高出塁率(・416)のタイトルも獲得。08、09年と2年連続でベストナインにも選出された。09年WBC日本代表。夫人はフジテレビの長野翼アナ(29)。右投げ右打ち。1メートル84、88キロ。血液型B。

続きを表示

2010年10月25日のニュース