助けてジョニー!横浜投手コーチに黒木氏

[ 2010年10月10日 06:00 ]

2月、横浜の春季キャンプを訪れた黒木氏(左は尾花監督)

 横浜が来季の1軍投手コーチとして元ロッテのエース、黒木知宏氏(36=野球評論家)に就任要請をしていることが9日、分かった。

 横浜は今季両リーグワーストの防御率4・88で3年連続の最下位に低迷。チーム再建には投手陣の整備が急務で、コーチ歴はないものの卓越した野球理論を持つ黒木氏に白羽の矢を立てた。黒木氏は入団1、2年目に当時ロッテで投手コーチを務めていた横浜・尾花高夫監督(53)に指導を受けた縁がある。
 チームの抜本的改革へ、横浜が動いた。黒木氏へ来季の1軍投手コーチの就任を要請。投手陣再建を託したのはロッテで現役時代、闘争心を前面に出す投球スタイルで野球ファンを魅了した「魂のエース」だった。
 横浜は今季55年ぶりのシーズン95敗を喫するなど、プロ野球史上初の3年連続90敗以上で最下位に沈んだ。ロッテ、ヤクルト、ソフトバンク、巨人の4球団で投手コーチとしてリーグ優勝7回、日本一4回の実績を評価された尾花監督が今季から指揮官に就任。開幕前には昨季の685失点を踏まえ、「100点は減らせる。その上に50点減らして優勝争いしたい」と語っていたが、昨季を下回る両リーグワーストの防御率4・88、743失点と状況は好転しなかった。
 低迷の要因は先発陣の不振に尽きる。2ケタ勝利はロッテから移籍した清水のみ。エースの三浦は右肩痛もあって、わずか3勝。若手の伸び悩みも深刻だ。先発の軸として期待された寺原が4勝。08年の新人時に6勝を挙げた3年目の小林太が未勝利、2年目の藤江も2勝に終わった。

 既に今月に入り、複数回にわたって尾花監督と会談。チームの現状把握などに努めているものとみられる。現役引退時には「素晴らしい経験をさせてもらった。それを今度は違う形で伝えていきたい」と話すなど、将来的に指導者となる夢を描く黒木氏の今後の動向が注目される。
 ◆黒木 知宏(くろき・ともひろ)1973年(昭48)12月13日、宮崎県生まれの36歳。延岡学園では3年夏の甲子園に出場。新王子製紙春日井を経て、94年ドラフト2位でロッテに入団。95年6月30日の日本ハム戦(東京ドーム)で完封でプロ初勝利を挙げた。98年には最多勝、最高勝率のタイトルを獲得。07年を最後に現役引退。通算成績は199試合で76勝68敗1セーブ、防御率3・43。

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2010年10月10日のニュース