立大の後輩、ミスターも沈痛「頼もしい先輩でした」

[ 2010年10月8日 06:00 ]

02年3月「大沢親分の古希をお祝いする会」で長嶋氏(右)と握手する大沢氏

 【大沢啓二氏、死去】もう、あのベランメエ調で声を掛けられることはない。そう思うと胸が詰まった。突然の訃報に接し、巨人・長嶋終身名誉監督は無念と悲しみのコメントを寄せた。

 「悲しみと寂しさでいっぱい。大学時代もプロに入ってからも気さくに声を掛けていただいた頼もしい先輩でした」
 大沢氏は立大の2年先輩。ミスターの野球人生にとって忘れられない大きな存在だった。今から56年前、立大4年の長嶋氏は本当は同期のエース杉浦と南海へ入団するはずだった。2年前に南海入りし、当時の鶴岡監督の至上命令を受けた大沢氏から熱心に誘われ、心は傾いていた。それが直前で巨人へ。電撃的な方向転換だったが、大沢氏は巨人入り後も変わらず声をかけてくれた。
 優しく、頼もしい親分肌。「近年はテレビなどを通じて選手たちを叱咤(しった)激励されるお言葉が印象的でしたが、野球に対する熱いお気持ちは現役時代とお変わりないと感じておりました」。野球への情熱を教えられた先輩だった。「大沢さんの“喝”や“あっぱれ”を聞けなくなると思うと残念でなりません」。ミスターの心の悲しみはどこまでも深かった。

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2010年10月8日のニュース