メジャー仕様「飛ばない」統一球を披露

[ 2010年8月23日 18:05 ]

来季からプロ野球1軍公式戦で統一して使用される低反発球を披露する加藤良三コミッショナー。右は断面

 プロ野球12球団などで構成される日本野球機構(NPB)は23日、来季から各球団が統一して使う1軍公式戦使用球として、米大リーグ公式球に近い、ミズノ社製の低反発球を発表した。いわゆる「飛ばない球」となる。契約は2年で、今年の秋季キャンプから各球団で使われる予定。

 中心のコルク芯を覆うゴム材を低反発素材に変え、反発係数を従来より低く抑えた。ミズノ社の実験では球速144キロ、スイング速度126キロ、飛び出し角度27度で打ち返した場合に、現在の同社製の低反発球よりも飛距離が約1メートル縮まったデータが提示された。本塁打数を含め、投打に影響が出る可能性が高い。
 日本が2連覇したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など国際大会への対応が目的の一つ。加藤良三コミッショナーは「まずは国内を統一することで、国際大会でも違和感が小さくなる。国際的にも広く使われることを目指したい」と話した。
 縫い目は幅が1ミリ広く、高さが0・2ミリ低くなった。革は従来の牛の背中だけでなく、脇や腹も使用するが、手触りはほぼ変わらないという。統一されている米大リーグなどにならって、加藤コミッショナーのサインを入れる。
 使用球統一は、1月に加藤コミッショナーが公平な競争環境づくりを目指して提案したことが発端。6月のプロ野球実行委員会で12球団が合意した。

 ▽プロ野球・加藤良三コミッショナーの話 昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、球の違いに選手が戸惑うのを目の当たりにしたのがきっかけ。米大リーグ(使用球)より質がよく、選手に優しい球。

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2010年8月23日のニュース