激闘12回雨の甲子園 虎ファン沈黙の長野弾!

[ 2010年7月14日 06:00 ]

<神・巨>延長12回1死一、二塁、3ランホームランを放った巨人・長野(右)

 【巨人7―6阪神】長野弾で首位の座を死守した。巨人は13日、0・5ゲーム差で迎えた2位・阪神との首位攻防第1ラウンドを延長12回、4時間20分の激闘の末、制した。長野久義外野手(26)が値千金の13号決勝3ランを放ち、チームの連敗を4で止めた。投手陣は、50年広島に並ぶ両リーグワースト記録(2リーグ制以降)の12試合連続2ケタ被安打と打ち込まれたが、伝統の一戦で大物ルーキーが抜群の勝負強さを発揮した。

【試合結果


 首位陥落の危機を救う決勝アーチにもダイヤモンドを一周する長野の表情に笑顔はなかった。「僕の犠打ミスで阪神に流れがいったので責任を感じています。守備もクッションボールを捕り損ねた。守備、犠打練習をします」。バスに乗り込むまでヒーローの表情はこわばったままだった。
 2点リードの4回無死一塁で犠打を失敗して捕邪飛。直後の守備でもミスを重ねた。4回無死一、二塁でブラゼルの右翼線を襲う打球の処理にもたつき、一塁走者の新井に逆転の生還を許した。
 だが、25歳のルーキーは試合中に気持ちを切り替えられる強さがある。8回、延長10回と連続安打を放つと、12回1死一、二塁ではひと振りで決着をつけた。「打席に入る前、エドガーに“エンジョイ”と声をかけられた。思いっきりいこうと思った」と西村の低めの直球を振り抜き、左翼へ吹く甲子園の浜風を切り裂く13号右越え3ラン。「頭を越えると思ったけど入ると思わなかった。打った球はわからない」。ミスを取り返そうと無我夢中だった。
 中日に同一カード3連敗を喫するなど7月に入り、2勝7敗。この日の甲子園は試合前から断続的に雨が降り続く不安定な天候だったが、長野は集中力を切らさなかった。午後3時ごろにナインが天候を確認にグラウンドへ現れる中「雨が降ったので芝を見たい」と外野を歩きながらぬれた芝生の状態を確認。肝心の試合でミスを犯したが、バットでお釣りが出る以上の仕事を果たした。

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2010年7月14日のニュース