小久保13本目の満塁弾!王会長「オレを抜け!」

[ 2010年4月29日 06:00 ]

3回無死満塁、左越えに満塁本塁打を放つ小久保

 【ソフトバンク13-2楽天】3年ぶりに弧を描いた自身13本目のグランドスラムが、決勝弾となった。最高の笑顔でベンチ裏へ引き揚げてきたソフトバンク・小久保に最高の祝福が待っていた。

 プロ野球記録の通算15本の満塁本塁打を放った王会長が待ち受け、「オレのことはいい。抜けよ。球史に名が残るし、あと3、4本は打ってほしい」と肩を叩かれた。
 「少し詰まったのでフェンスぐらいかなと思ったけど、入ってくれたね。(満塁弾は)やっぱり気持ちいい」
 同点に追いついた直後の3回無死満塁。楽天・藤原に簡単に2ストライクと追い込まれたが、そこからフルカウントまで粘ると、最後は真ん中に入ってきた甘い直球を仕留めた。普段は追い込まれてからは右打ちを意識することの多い小久保だが、「左投手のクロスファイアを右方向に打つ方が、空振りの確率が高まる」と狙い通りに引っ張った。打席での卓越した読みが、得点圏打率・378という数字に表れている。
 昨季18本塁打に終わった小久保は「4月中に5本は打つ」と目標を掲げたが、開幕から22試合では2本塁打。そこで17日の楽天戦から調整法を変えた。全体練習の前にランニングメニューを取り入れたのだ。「野球の基本は走ることだよ。中距離走で股関節を使うのを意識している」という。壁にぶつかれば新たな突破口を探す。その成果は少しずつ表れ、最近6試合で3本塁打を記録して、ノルマを達成した。
 今年10月で39歳。「カズさん(横浜FC・三浦知良)は何歳でやってるんだ?43歳だろ。サッカーは心肺系のスポーツ。野球選手はもっとやれる」。40代での現役に強い意欲を示すと同時に「868本打った人でも15本。自分の力だけで打てるものではないけど、王会長の記録に追いつきたい」ときっぱり。ベテランとなっても、なお意気盛んだ。

 ▼ソフトバンク・秋山監督(4本塁打を含む16安打13得点で大勝。貯金を今季最多の4として)言うことなし。打線がつながったし、小久保の満塁本塁打が大きかった。

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2010年4月29日のニュース