田沢“生き残る”初の開幕メジャーへ「初セーブ」

[ 2010年3月8日 06:00 ]

2回無失点と好投した田沢

 【レッドソックス9-3ツインズ】レッドソックスの田沢純一投手(23)が6日(日本時間7日)、ツインズとのオープン戦で「プロ初セーブ」をマーク。3点リードの8回から救援し2回を1安打無失点と好投した。今季は中継ぎとして初の開幕メジャーを狙っているが、背中の張りで調整が遅れている松坂大輔投手(29)が故障者リスト(DL)入りした場合、救援投手枠が1つ増えることが濃厚。新たな役割に意欲的な右腕がし烈なサバイバルレースに挑む。

 しっかり自分をアピールした。6―3の8回からマウンドに上がった田沢は、相手を見下ろすように力で押した。9回、先頭打者を外角の速球で見逃し三振に仕留めるなど30球中、26球が直球。2回を1安打無失点に抑え、捕手と勝利のハイタッチで祝福した。
 「走者を出してしまったけど抑えられたのは自信になった。あれ(ハイタッチ)はやりがいがあるし、セーブは初めてなので良かった」。オープン戦は2試合連続無失点。ファレル投手コーチからは「速球が走っていた」と褒められたという。
 社会人から直接、米球界に飛び込んだ昨季は、メジャーで初先発初勝利を挙げるなど2勝(3敗)をマーク。マイナーを含めて登板26試合中、24試合が先発だった。しかし、今季の先発陣はFAでラッキーが加入したことで盤石となり、田沢はチーム構想で中継ぎに配置転換となった。「任されたところでやるだけ」。それが生き残る道であることは自覚している。
 今キャンプは「早く長く」のスタンスを貫いている。主力選手が午前8時前後に球場入りする中、午前6時に起床して7時には球場入り。他の選手より早めに筋力トレーニングやランニングに取り組む。オープン戦も通常、登板日以外は相手打者が1巡した時点で帰宅できるが、最低5回までベンチで観戦。メジャーの一流投手の投球術を研究しレベルアップにどん欲な姿勢を見せている。
 レ軍の救援陣は6人が確定。田沢は残り1枠を争うとみられていたが、松坂が開幕をDLで迎えた場合は先発を4人で回すために“松坂枠”が中継ぎに充てられる可能性が高く、割り込むチャンスは十分ある。オープン戦で適性を示すことが最大のアピール。23歳の右腕は「真っすぐの切れ自体は悪くなかった。もうちょっと制球を磨いていきたい」と次回への課題を挙げた。

 <救援陣、残りは2枠>投手枠についてはエプスタインGMが12人と発表。先発は開幕時は4人で回せることから、救援陣は8枠が予想される。守護神パペルボン、セットアッパーの岡島を含め6人が当確で、残りは2枠。左右のバランスを考えると、メジャー通算467試合登板を誇る左腕シャウスのメンバー入りは有力だ。田沢が開幕メジャーを勝ち取るには、元阪神のアッチソン、右肩手術からの復活を期すボンサーらとの争いを勝ち抜く必要がある。

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2010年3月8日のニュース