“コマ”はそろったが“ツブ”がそろわぬ岡田オリックス

[ 2010年3月8日 16:34 ]

高知キャンプでティー打撃を行うオリックスのT―岡田

 プロ野球は今季、パ・リーグが20日、セ・リーグが26日に開幕する。オープン戦で本番への最終調整を行う12球団の戦力を分析する。

 最下位からの巻き返しを狙うオリックスは、岡田新監督の下、改革元年のシーズンとなる。看板だった大型打線から主砲のローズ、フェルナンデスが抜け、俊足巧打の坂口を1番、器用なスイッチ打者の赤田を2番に固定。長打力のある左の後藤、右のカブレラへとつなぐバランス重視の打線で臨む。成長株として注目される長距離打者、22歳のT―岡田がローズの穴をどれだけ埋められるかが大きな鍵となる。
 投手陣は2年連続2ケタ勝利の金子を軸に、昨季10勝の岸田、ともに同9勝の山本、近藤、巨人から移籍した木佐貫と先発陣の駒に不足はない。それだけに課題は昨シーズン崩壊した中継ぎ陣。岡田監督は一昨年15勝の小松や元エースの平野を救援に配置転換させたが、いずれも本来の力を出せていない。
 安定感のあるドラフト1位左腕の古川(日本文理大)も故障でキャンプ中に離脱。元セーブ王の加藤も不調が続き、現状では香月、レスター以外に信頼できる選手がいない。キャンプの最重要課題としていた「必勝リレー」の構築ができず、絶対的なストッパーは不在のままシーズンを迎えることになりそうだ。
 新戦力の田口、赤田、木佐貫はここまで実績通りの働きを見せているが、いずれも近年は出場機会の少なさが目立ち、シーズンを通しての活躍には不安が残る。左腕の延江やドラフト5位のルーキー阿南(日本通運)ら中継ぎとして期待する若手も未知数で計算は立たない。今季はステップの年と位置付け、まずはクライマックスシリーズ(CS)進出が現実的な目標になるだろう。

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2010年3月8日のニュース