松井秀、ヤンキースと決別も!「自分で切り開く」

[ 2009年11月21日 06:00 ]

ヤンキースとの独占交渉期限が切れ、正式にFAとなった松井秀

 ヤンキースと契約満了した松井秀喜外野手(35)が20日午前0時(日本時間同午後2時)、フリーエージェント(FA)となった。ニューヨーク市内で取材に応じた同外野手は、ヤンキースとの決別も覚悟の上で全球団と幅広く交渉していく考えを明かした。ヤ軍との独占交渉期限が切れたことで、一時的とはいえ所属球団がなくなったゴジラ。今後はヤ軍も全30球団の交渉先の1つと見なし、本当に自分を必要としているチーム探しがスタートする。

 覚悟はできていた。20日午前0時の独占交渉期限までにヤ軍から残留オファーは届かなかった。
 「そう思っていたし、だからこそ(9日に)FAを申請しました」と前置きした松井はすっきりとした表情で続けた。
 「7年前も所属球団がなかったわけだから。7年前に比べると不安はないです。自分でいろいろなものを切り開いていくしかないですから」
 正式にFAとなり、ヤンキースという肩書はなくなった。完全にフリーな立場となって移籍市場に出た松井は、来季所属先について「全30球団が同等に?現時点ではもちろんそうです」と言い切った。その上で「あくまでオファーが来てそれを判断するだけです。どれだけ自分のことを欲しいのか、とか。そういう具体的な部分は、実際に話してみないと分かりませんから」。去就先決定については越年も覚悟している。納得がいくまでとことん交渉を続ける考えを強調した。
 02年のメジャー挑戦時、05年のヤ軍との契約延長交渉は、何よりもピンストライプにこだわった。今回は違う。ヤ軍は独占交渉期間中にオファーせず、キャッシュマンGMは松井が希望する外野手の挑戦権すら拒絶した。松井側が求める「どれだけ必要としているのか」という部分には、疑問符を付けざるを得ない。
 両ひざに不安を抱えて今季1試合も守備に就かなかった松井に対して、DH制のないナ・リーグの動きは鈍い。松井も守備については「確かめないとどうしようもない部分はある。メディカルチェックして、どう判断をもらえるかどうか。そこでまた自信の度合いも変わってくると思う」とあらためて話した。守備復帰に強い意欲を持っているが、まず「DH兼外野手」が現実的な目標。となると交渉解禁前から獲得に意欲を見せているホワイトソックス、エンゼルスなど、去就先はア・リーグに絞られそうだ。
 ヤ軍は近日中にオーナーとの会談で来季予算を決め、松井の処遇を固める。今後のオファー次第で再契約する可能性も残しているが、現状では“ヤンキースの松井”でなくなる可能性は高い。松井自身も慣れ親しんだピンストライプを捨てる覚悟はできている。ワールドシリーズMVPの看板を持つ1人の大リーガーとして、自分の居場所を探していく。

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2009年11月21日のニュース